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防災情報

 

伊藤和明の「防災えんす」

 

(インターネットラジオ)

NPO法人防災情報機構会長、元NHK解説委員の伊藤和明先生が、自然災害や環境問題、また防災に関する様々なテーマのお話を、分かりやすく解説します。

講師:伊藤和明
東京都出身
東京大学理学部卒業

NHKに入局し、23年間にわたり、解説委員として活躍。現在NPO法人防災情報機構の会長として、防災士の育成と防災の啓発活動に尽力。 また政府・中央防災会議の「災害教訓の継承に関する専門調査会」の座長としても活躍中。

 

 

 

山口明の「防災・安全 ~国・地方の動き~」

防災評論家 山口 明氏の執筆による、「防災・安全 ~国・地方の動き~」を掲載致します。防災対策を中心に、防災士の皆様や防災・安全に関心を持たれている方々のために、最新の国・地方の動きをタイムリーにお知らせすることにより、防災士はじめ防災関係者の方々の自己啓発や業務遂行にお役立てて頂こうとするものです。今後の「防災・安全 ~国・地方の動き~」にご期待下さい。

 

 

山口明の防災評論

防災評論(第84号)【平成29年7月号】

 

【目次】
〔政治行政の動向概観〕
〔個別の動き〕

01、ドクターヘリ 基準緩和(国土交通省)
02、北朝鮮によるミサイル発射 鉄道 有事対応ルール化へ(国土交通省)
03、北ミサイル発射 スマホ情報「受信可否 確認を」(消防庁)
04、自殺死亡率 日本はワースト6位 先進国の最悪レベル(厚生労働省・警察庁)
05、マンホールトイレ 簡易便座で下水に直結、避難所の環境改善

 (国土交通省・内閣府・地方公共団体)
06、被災後走れる道 すぐ公表(国土交通省)
07、南海トラフ地震で広域避難145万世帯(東大・名大)
08、大規模倉庫に立ち入り検査を通知(消防庁)
09、熊本地震直前に上空300キロで異常(京大)
10、避難所 紙の間仕切りに(板橋区)
11、「備蓄が役立った」46%(防災白書)
12、南海トラフの観測網を拡充(文部科学省)

〔政治行政の動向概観〕
 通常国会は終了し、懸案であった共謀罪(テロ等準備罪)の創設は何とか成立した。オリンピックの開催を3年後に控え、日本ではテロ発生の脅威は高まる。また国際的に暗躍する組織犯罪集団の取締必要性もますます喫緊の課題となっているので、総論的には時宜に適った刑事法の創設であったと評価できる。しかし審議の過程は決してほめられたものではなかった。政府側、とりわけ担当大臣の答弁能力に疑問が付いたほか、野党やこれを取材するマスコミの取り上げ角度がこの法律が“一般人”に適用されるのかどうかばかりに焦点を当てていたことが大きな問題であった。“一般人”にも適用される恐ろしい治安維持法だ、などという論調が幅を利かせていたが、ポイントは普通法である以上“一般人”に適用余地があることは当然なのであって、そこから逃げようとする政府側にも、そしてあえて知りながら追求する野党側にも責められるべき点は多い。一般の主婦でも万引きをすれば窃盗罪に問われるのと同じなのである。
 この問題は防災分野でも同じであり、一般に「正常化の偏見」といって大地震、大津波や大水害など通常起こり得ない災害は“一般人”には無縁であると思い込みたい心理は、別に共謀罪に限らない。ところが、大震法などの特別立法ではあえて特定の人や地域にしかこれら大災害は発生し得ないと疑わされるようなスキーム(制度)を作って、人々を安心させようとする。しかし過去の事例を見ても、どの災害を取っても、絶対発生しないようなエリアや対象者など存在しない。人が嫌でも持ちたがる正常化の偏見を打ち払って適正な行動を心掛けるのが防災でもテロ等犯罪でも同じであり、防災士にはその心構えが強く求められる。

〔個別の動き〕
1、ドクターヘリ 基準緩和(国土交通省)
 国土交通省は災害や事故現場に医師を乗せて急行するドクターヘリの操縦士の任用基準を設けることを決めた。航空業界が定めた自主基準ではヘリの飛行経験が「2千時間以上」必要としていたが、新基準では「1千時間以上」に緩和する。ドクターヘリのパイロットは高齢化が進み将来は不足も予測されており、若手操縦士の確保につなげる狙いだ。
 ドクターヘリは医師や看護師を乗せて災害・事故現場に向かい治療しながら病院に搬送する専用ヘリ。
交通の便が悪い山間部や交通事故の現場などで全国で導入が進み、年間出動件数は2万件を超える。現場が多様なうえ、迅速な運航が欠かせないため高度な操縦技術が要求される。
 国交省が設ける新基準では、ドクターヘリの操縦士になるための飛行経験時間を「機長として1千時間以上」と規定。このほかヘリの運航が患者に与える影響や気象知識の確認、斜面での離着陸の試験を課す。その後は年1回こうした内容を確認し、技能が十分かどうか把握する。新基準は来年4月から適用される見通しで、基準に基づき運航会社が操縦士を任命する。
 民間ヘリの操縦士が飛行経験を積む場としては農薬散布が主力となっていたが、近年はドローンによる散布が台頭。民間ヘリの年間飛行時間は30年前は10万時間を超えていたが2015年度は約6万7千時間まで減り、若手操縦士が飛行経験を重ねるのが難しい状況だった。
 国交省によると、ドクターヘリの操縦士は高齢化が進み、2015年2月時点で操縦士約150人のうち50歳以上が3分の2を占めた。

2、北朝鮮によるミサイル発射 鉄道 有事対応ルール化へ(国土交通省)
 北朝鮮によるミサイル発射を巡り、国内の鉄道各社の対応にばらつきが出ている。今回の対応を受けてJアラートを基準に見直す社がある一方、対応を決めていない社もある。
 東京メトロ社がミサイル発射時の対応を決めたのは4月中旬。北朝鮮による核実験やミサイル発射の可能性が取り沙汰される中、Jアラートだけでなくニュース速報でも発射情報を確認した場合、安全確認のため全路線で停車するよう取り決めた。29日には報道を受けて同社の総合司令所が運転士に無線で最寄り駅での停車の指示を出した。
 JR西日本は4月下旬、Jアラートが発令された場合の対応を文書で社内に周知。だが4月29日は報道を受けて指令所の判断で北陸新幹線の金沢―上越妙高間で約10分間、運転を見合わせた。
 JR東日本や私鉄各社も「Jアラート発令時に運行中止とする」と規定。報道があっても警報が発令されなかったため今回は運転を続けた。
 西武鉄道は政府の情報に基づき「首都圏に着弾の可能性がある場合に運行を止める」とより条件を限定。報道で運転を止めた東京メトロは対応を見直し、「Jアラートで判断する」と対応を変更した。
 運行中止の方法もまちまちだ。東急電鉄は「その場ですぐに停車」するのに対し、「最寄り駅まで走り停車」(西武鉄道)、「橋などの危険箇所を避けて停車」(JR西日本)とする会社もあった。
 運行停止だけでなく「乗客に窓から離れるなどの行動をとってもらう」(JR東日本)など乗客の安全確保策を決めている例もあった。
 地方の中小私鉄などでは発射時の対応をまだ決めていない社もある。国土交通省は「運行停止は各社の判断」としつつも、各社から情報収集するなどし、一連の経緯を検証する方針だ。

3、北ミサイル発射 スマホ情報「受信可否 確認を」(消防庁)
 消防庁は、北朝鮮から弾道ミサイルが発射された際に出す緊急情報を、手持ちの携帯電話やスマートフォンで受信できるかを確認するための手順をホームページ(HP)に掲載、地方自治体にも住民への周知を求めた。格安スマホなど受信できない機種の場合は、専用アプリの活用を呼び掛けている。
 弾道ミサイルの発射情報や避難要請などは、国が全国瞬時警報システム(Jアラート)で発信し、市町村の防災行政無線を通じて住民に伝達されるほか、大手携帯電話事業者の緊急速報メールでも配信される。
 しかし消防庁によると、格安スマホのほか、大手携帯電話事業者の一部機種でも受信できないケースがある。
HPでは対応機種の確認方法を記載し、受信できない場合は民間事業者が提供する防災速報アプリや自治体が配信する登録制メールの利用を勧めている。

4、自殺死亡率 日本はワースト6位 先進国の最悪レベル(厚生労働省・警察庁)
 厚生労働省は世界各国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を比較し、日本はワースト6位だとする分析結果をまとめた。先進国の最悪レベルで、特に女性は同3位と高い。今月下旬に閣議決定される「自殺対策白書」で公表される。
自殺死亡率は統計の信頼性や更新頻度が国によって異なるため単純な比較が難しく、世界保健機関(WHO)が2014年に初めてまとめた「世界自殺リポート」でも順位付けはしていない。厚労省はWHOのデータベースを使い、2013年以降の人口と自殺者数が把握できている中から上位国を抽出した。
 日本の2014年の自殺死亡率は19.5で、アジアでは世界ワースト2位の韓国の次に高い。男性(27.7)は同12位、女性(11.7)は韓国、スリナムに続き同3位。主要8か国(2011~2014年)との比較では、ロシアの21.8に次いで高かった。
 警察庁の自殺統計によると、2016年の自殺者数は2万1,897人(男性1万5,121人、女性6,776人)で、2003年の3万4,427人をピークに減少傾向が続いている。しかし、自殺が最も多い中高年の男性に比べて若年層は減り幅が小さく、白書は「20~30代の自殺死亡率を低下させることが課題」と分析している。

5、マンホールトイレ 簡易便座で下水に直結、避難所の環境改善(国土交通省・内閣府・地方公共団体)
 下水管に直結して使う「マンホールトイレ」を災害時に備えて整備する動きが広がっている。くみ取り式が多い従来の仮設トイレより衛生的なのが利点で、避難所となる学校や公園に整備する例が多い。熊本地震でも一部の避難所で活用した。過去の大規模災害では避難所のトイレ環境の悪化がたびたび問題となっており、国も普及を後押ししている。
 マンホールトイレは地下の下水管に直接、排せつ物を流す仕組みで、地震などで断水した場合も排せつ物がたまらず、衛生的でにおいも軽減できる。そのまま下水管に流すタイプのほか、一時的に管内に排せつ物をためておき、プールの水などで定期的に洗い流すタイプもある。
 昨年4月の熊本地震でも同トイレが活躍した。避難所となった熊本市内の中学校4校に計20基が整備されており、長いところでは35日間使用した。同市の担当者は「洋式タイプは段差もなく、高齢者にも使いやすいと好評だった」と話す。
 NPO法人「日本トイレ研究所」は「避難所のトイレが不衛生だと感染症の原因になるほか、トイレ回数を減らそうと食事や水分を控えて、エコノミークラス症候群を引き起こす危険もある」と指摘。「トイレ環境を改善するのは極めて重要」と話している。
2004年に発生した新潟県中越地震では下水道施設の被害が甚大で、避難所のトイレが使えなくなるなどの生活への支障が目立った。国土交通省は下水道の耐震対策を強化するとともに、2009年度からは整備事業費の半額を自治体に補助するなどしてマンホールトイレの普及を促している。
 2016年3月末時点までに全国340の市区町村に計2万4千基が整備され、3年前の約1.3倍に増えた。ただ、同省下水道部は「災害時にトイレの環境を保つには、まだまだ足りない」と話す。
 同省は昨年3月、マンホールトイレの整備・運用に関する指針を作成。施錠できて内部が見えないようにすることや、1基につき使用人数が50~100人となるよう整備することが望ましいなどとした。
 内閣府も昨年4月にまとめた指針で活用を促している。

6、被災後走れる道 すぐ公表(国土交通省)
 国土交通省は、大手車メーカーなどでつくるNPO法人から災害時に車両の通行情報のデータ提供を受ける協定を結ぶ。NPOは各社が持つ約400万台分のカーナビゲーション情報を提供。同省は自動料金収受システム(ETC)のデータと組み合わせて通行状況を詳細に把握し、被災直後に車が通れる道を割り出しホームページに地図として公表する。
 官民でビッグデータの活用を進め、物資搬送や人命救助など素早い初動対応につなげる。
 同省と協定を結ぶNPO法人は大手メーカーのほか、カーナビメーカーが参加している。個人の乗用車やタクシー、トラック約400万台に設置されたカーナビから送られる走行状況を匿名化した上でリアルタイムで集約している。
 国交省は2015年8月に車の走行場所や時間などを詳細に把握できる「ETC2.0」を導入。現在約170万台が対応した機器を搭載している。災害時にはこうしたデータを「災害通行実績データシステム」に送信。小型無人機(ドローン)やパトロール、定点カメラなどで得た土砂災害状況などの情報を加えて、被災地で通行できる道路を割り出している。
 昨年の熊本地震でもこのシステムを活用して本震の発生直後に通行可能な道路の情報を警察や消防、自衛隊などに提供し、一般用にもホームページ上で地図と道路を組み合わせた「通れるマップ」として公表した。
 ただ熊本地震時には通行可能な道路の情報を知らせるまで約16時間かかった。今回、さらに約400万台分の民間の通行実績データを追加することで、迅速に精度の高い通行情報を提供できるようになる。
 NPOから提供を受ける条件は全国で震度6弱以上、東京23区内で震度5強以上の地震発生時に加え、大規模な水害などが起こった時など。NPOは被災地約80キロメートル四方を走る個人の乗用車やタクシー、トラックの通行情報を同省に提供する。

7、南海トラフ地震で広域避難145万世帯(東大・名大)
 マグニチュード9級の南海トラフ巨大地震が発生した場合、居住する市区町村を離れて広域避難を余儀なくされる世帯が、最大で145万6,000世帯に達することが、東京大・名古屋大がまとめた試算で明らかになった。
 南海トラフで起こる地震のなかでも、東海地方が大きく被災したケースを想定、政府の被害想定や総務省の住宅・土地統計調査、避難行動に関する住民アンケートなどをもとに、死者数を考慮せずに被災世帯数や利用できる賃貸住宅数などを試算したものだ。
 その結果、被災世帯は最大で約282万世帯に上り、親戚宅などに身を寄せる世帯をのぞいた住宅の需要は約232万戸となった。被災世帯は、仮設住宅や自治体が各地で借り上げた賃貸住宅に入居することになるが、賃貸住宅は都市部に集中していることから、最大で約145万6,000世帯が広域避難を余儀なくさせることが分かったものだ。
 また、試算では津波被害が想定される沿岸部を中心に246市区町村で世帯数が減少する。三重県伊勢市や愛知県田原市、和歌山県串本町など30市区町村で世帯数が半減、一方で、静岡具熱海市、岐阜県北方町、同美濃加茂市など被災が比較的少なく、賃貸住宅も多い市区町村では、被災者の流入で世帯数が増えるとしている。ちなみに、東日本大震災では、津波で大きな被害を受けた三陸地方の沿岸部で人口が流出。一方で、仙台市に人口が集中し、復興の足かせになっている。
 南海トラフでマグニチュード8~9級の地震が30年以内に起こる確率は60~70%とされる。いつ地震が起きてもおかしくないことを踏まえて、いまから津波に備えて高台に街を移転するなど、被災前から復興を念頭においての“事前復興”の考え方を取り入れるべきだ、と指摘している。

8、大規模倉庫に立ち入り検査を通知(消防庁)
 オフィス用品通販大手のアスクルの物流倉庫(埼玉・三芳町)の火災を受け、消防庁は全国の消防に対して、管内の大規模倉庫(延べ床面積5万平方メートル以上)への立ち入り検査を求める通知を出した。
 インターネット通販の拡大に対応して、大型化が進む物流倉庫の消防用設備の設置状況や防火シャッター・扉の管理状況を確認するものだ。

9、熊本地震直前に上空300キロで異常(京大)
 昨年4月の熊本地震が発生する1時間ほど前から、上空300キロ付近の電離圏で電子の数が増減する異常が起きていたことが、京都大の研究チームの解析で判明した。同チームはこれまで、東日本大震災の電離圏異常も確認しているが、内陸直下型地震で捉えたのは初めてという。結果を踏まえて、大地震発生の予測システムに応用できるか実証実験を行う予定という。
 電離圏は電子が広がる層で、太陽表面の爆発現象「太陽フレア」などにより影響を受けることが知られている。チームは、衛星利用測位システム(GPS)のデータを用いて、熊本地震の際の電離圏の乱れなどを分析。2回目の震度7を観測した昨年4月16日の地震発生の1時間前から20分前にかけて、電子の数の増減が顕著に見られたという。
 宇宙から影響を受けた時のデータでは見られない九州地方を中心とした局所的な変化であったことから、熊本地震に関連する異常、と判断したものである。

10、避難所 紙の間仕切りに(板橋区)
 東京都板橋区は、災害時の避難所設営に関して、建築家が代表理事を務めるNPO法人と協定を結ぶ。災害時に考案した紙と布を使った「紙の簡易間仕切りシステム」を提供してもらう。避難所でのプライバシーを確保し、避難生活の質の向上につなげる。
 紙の簡易間仕切りは工具は使わずに簡単に組み立てられるのが特徴。2メートルの紙管で柱と梁(はり)をつくり、梁に布を通す。布をカーテンのように使うことで、日中は開放し、夜間は閉めることができる。東日本大震災や熊本地震の避難所でも活用された。23区では世田谷区が2016年、同法人と協定を結んだ。
 これまで板橋区は高さ90センチの段ボール製の間仕切りを用意していたが、プライバシーの観点から課題があったという。区長は記者会見で、紙の簡易間仕切りについて「どこかで災害があった場合には他の自治体と共有していきたい」と語った。

11、「備蓄が役立った」46%(防災白書)
 平成29年版「防災白書」では、2016年4月の熊本地震で被害を受けた企業などへのアンケート調査の結果を掲載。備蓄品の購入や買い増しが役立ったとの回答が4割を超えた一方、BCP(事業継続計画)の見直しなどの課題が浮かんだ。
 震災時に有効だった取り組みを複数回答で尋ねたところ、最多は「備蓄品(水、食料、災害用品)の購入、買い増し」で、回答した554社のうち46%が挙げた。「災害対応担当責任者の決定、災害対応チームの創設」が38%で続いた。
 一方、災害時に資金援助などを受ける協定の締結が役立ったとした企業は8%にとどまり、取り組みが浸透していないことがうかがえる。
 調査では今後取り組みたい防災対策についても聞き、1,294社が回答した。「BCPの見直し」が49%で最も多く、けがや交通網の寸断で出勤できなくなった従業員の「代替要員の事前育成」が48%だった。災害時に活躍できる人材の育成や設備の拡充など、社内態勢の見直しに関する項目を挙げた企業が多かった。
 回答企業のうちBCPを策定済みの割合は大企業(資本金10億円以上など)では7割を超えたが、中小企業は1割にとどまった。
 白書ではアンケートとは別に、製造業や流通業など10社にヒアリング調査をした結果も紹介。事業所の建物を設計段階から耐震強化したことで被害を抑えられたり、通行可能な道路の情報を社内で共有したりといった減災や災害対応に役立つ事例が多く寄せられた。

12、南海トラフの観測網を拡充(文部科学省)
 文部科学省は、巨大地震の発生が懸念される南海トラフ沿いで、海底に地震計などの観測網が整っていない高知県沖から宮崎県にかけての観測態勢の整備に乗り出す方針を固めた。観測の「空白域」を埋めることで、より正確な緊急地震速報や津波予測に役立てたい考え。
 2018年度予算の概算要求に調査費や研究費を盛り込む見通し。まずは観測網の具体的な設置海域や規模を検討した上で、海底地震計や水圧計などの機器の種類を選び、段階的な整備を目指す。
 南海トラフ沿いでは想定される震源域のうち、静岡県沖に気象庁の観測システムがあり、紀伊半島周辺に防災科学技術研究所の観測網「DONET」が整備されている。一方で、震源域の西側となる高知県沖から宮崎県沖にかけては、地震の発生をいち早く検知するための海底観測網が整っていない。




[防災短信]
01、今年後半エルニーニョか
 ~WHO 異常気象多発の恐れ~ 2017年5月02日付 日本経済新聞(夕刊)
02、エレベータの二重ブレーキ、国庁舎も導入
 ~国土交通省など~ 2017年5月01日付 日本経済新聞(夕刊)
03、浪江・富岡 町の住民帰還1%台
 ~避難解除1か月 不便な生活懸念~ 2017年5月02日付 日本経済新聞
04、消防、アパート未検査か?
 ~北九州市消防局 届け出確認できず~ 2017年5月09日付 日本経済新聞
05、警察犬自前育成広がる
 ~各都道府県警 緊急出動の増加 嘱託犬頼みはもう限界~

  2017年5月09日付 日本経済新聞(夕刊)
06、熱中症、大雨に注意
 ~6~8月 気象庁3か月予報~ 2017年5月25日付 日本経済新聞
07、慶長三陸津波 M9地震か
 ~400年前 北大発表~ 2017年5月24日付 日本経済新聞(夕刊)
08、全壊家屋 断層真上に集中
 ~工学院大調査 熊本地震被災地で5割超~ 2017年5月25日付 日本経済新聞(夕刊)
09、追悼の慰霊碑着工
 ~58人死亡の御嶽山噴火~ 2017年5月26日付 日本経済新聞(夕刊)
10、調理器具 汚れに注意
 ~発火事故 5年で300件超~ 2017年5月31日付 日本経済新聞(夕刊)
11、梅雨前に情報伝達訓練
 ~鬼怒川氾濫想定 茨城県常総市~ 2017年5月29日付 日本経済新聞
12、震災遺児に土地など寄付
 ~5,700万円 匿名で東日本被災3県に~ 2017年5月26日付 日本経済新聞
13、保険金 災害時に素早く
 ~三井住友海上 ブロックチェーン活用~ 2017年6月01日付 日本経済新聞
14、東京の気温、屋久島並み
 ~21世紀末、気象庁予測~ 2017年5月12日付 日本経済新聞(夕刊)
15、消防法改正、スプリンクラー小規模福祉施設にも義務化
 ~消防庁 既存分は30年3月末までに設置~ 2017年UGMニュース5月号

 

 

 

【参考文献】

1、 2017年5月01日付 日本経済新聞
2、 2017年5月06日付 日本経済新聞
3、 2017年5月12日付 日本経済新聞
4、 2017年5月19日付 毎日新聞
5、 2017年5月26日付 日本経済新聞
6、 2017年5月31日付 日本経済新聞
7、 2017年5月 UGMニュース
8、 2017年5月 UGMニュース
9、 2017年5月 UGMニュース
10、 2017年6月01日付 日本経済新聞
11、 2017年6月16日付 日本経済新聞
12、 2017年6月27日付 日本経済新聞

 

 

 

山口明の防災評論 一覧

ナンバー年月題名
第84号1平成29年7月号ドクターヘリ 基準緩和(国土交通省)他
第83号平成29年6月号災害派遣職員、地元優先で(中央防災会議)他
第82号平成29年5月号山岳ヘリ救助 有料に(埼玉県)他
第81号平成29年4月号被災地の活動で20個人・団体顕彰(復興庁)他
第80号平成29年3月号家屋被害認定 兵庫に学べ(兵庫県)他
第79号平成29年2月号噴火警戒レベル低くても対策(内閣府)他
第78号平成29年1月号普及急げ 救急相談電話(消防庁)他
第77号平成28年12月号「海抜ゼロ」避難計画検討へ(中央防災会議)他
第76号平成28年11月号全国17火山の避難計画を策定へ(内閣府)他
第75号平成28年10月号「東海」南西側にひずみ蓄積(海上保安庁)他
第74号平成28年9月号震度6弱以上30年以内の確率 南海トラフ沿い上昇(文部科学省)他
第73号平成28年8月号熊本地震 九州で文化財被害300件超(文化庁)他
第72号平成28年7月号危険踏切58か所 初指定(国土交通省)他
第71号平成28年6月号災害時の業務継続計画 市区の66%未整備(地方公共団体)他
第70号平成28年5月号長周期地震動の「階級4」を国内初観測 震度6強の余震で(気象庁)他
第69号平成28年4月号帰宅困難者対策進まず(地方公共団体)他
第68号平成28年3月号市民標的テロ対策強化(警察庁)他
第67号平成28年2月号火山3割が携帯通信に「不安」(気象庁)他
第66号平成28年1月号火山列島ニッポン、活動期に(京都大学・気象庁)他
第65号平成27年12月号水害被災地に物資提供 都内自治体、連携の輪(東京都)他
第64号平成27年11月号震災避難20万人以下に(復興庁)他
第63号平成27年10月号マンション管理組合を防災組織と位置づけ(総務省)他
第62号平成27年9月号「6強で倒壊」814棟(文部科学省)他
第61号平成27年8月号復興事業4分類 一部地元負担へ(復興庁)他
第60号平成27年7月号救急隊、外国語で対応へ(消防庁)他
第59号平成27年6月号医療拠点 8割近く耐震化(厚生労働省)他
第58号平成27年5月号学校に避難 ルール課題(文部科学省)他
第57号平成27年4月号「使い捨て」観測衛星(内閣府、文部科学省、防衛省)他
第56号平成27年3月号高潮マップ8割超が「未作成」(国土交通省)他
第55号平成27年2月号住宅用火災警報器の設置率79.6%(総務省消防庁)他
第54号平成27年1月号被災者に家賃給付を(内閣府)他
第53号平成26年12月号緊急避難場所 指定31%(読売新聞社)他
第52号平成26年11月号被災地に職員「応援計画」都道府県66%作らず(総務省)他
第51号平成26年10月号救急車と救命士、病院常駐で威力(消防庁)他
第50号平成26年9月号政府が国土強靭化計画東京一極集中を脱却(内閣府)他
第49号平成26年8月号違法貸しルーム、火災防止へ(国土交通省、消防庁)他
第48号平成26年7月号避難勧告、自治体向け新指針決定(内閣府・消防庁)他
第47号平成26年6月号倒壊家屋5割減目標(内閣府)他
第46号平成26年5月号防災リーダー育成支援(内閣府)他
第45号平成26年4月号橋・トンネル点検義務に(国土交通省)他
第44号平成26年3月号首都直下型地震「死者23000人」(中央防災会議)他
第43号平成26年2月号復興予算、22%が未使用(会計検査院)他
第42号平成26年1月号地震時「危険」23区に集中(東京都)他
第41号平成25年12月号火災避難にエレベーター(東京消防庁)他
第40号平成25年11月号局地豪雨が激増(東京は昨年の3倍)(ウェザーニュース)他
第39号平成25年10月号津波予報、民間へ開放(気象庁)他
第38号平成25年9月号東海地震予知「困難」(内閣府調査部会)他
第37号平成25年8月号災害弱者名簿の掲載率(地方公共団体)他
第36号平成25年7月号水、食料備蓄学校の「3割」(文部科学省)他
第35号平成25年6月号南海トラフM8以上「60~70%」(地震調査委員会)他
第34号平成25年5月号「被災者の自殺者対策」(警察庁、地方公共団体)他
第33号「南海トラフ海底調査へ(文部科学省)」他
第32号「津波「巨大」すぐに避難を~新警報7日開始~(気象庁)」他
第31号「救急搬送の増加(総務省消防庁)」他
第30号「平成25〔2013〕年度予算の概算要求(防災・安全) 」他
第29号「災害関連死66歳以上9割(復興庁)」他
第28号「南海トラフ」集団移転対策、「首都直下」地方に拠点(中央防災会議)」他
第27号「災害対策基本法の改正~災害時 国・都道府県の役割強化(内閣府)」他
第26号「南海トラフ巨大地震の評価(内閣府)他
第25号「防災士養成数5万人を突破、小・中学校教職員に防災士資格取得義務化(日本防災士機構、松山市)他
第24号「首都直下型地震の発生確率(地震調査委員会)他
第23号「津波警報 表現に切迫性(気象庁)他
第22号「津波防災地域づくり法」が成立(国土交通省)他
第21号「東日本大震災関連第3次補正予算(内閣、財務相)他
第20号「台風12号の被害と避難勧告(地方公共団体)他
第19号「原発の津波対策とコスト(原子力安全委員会、原子力委員会)他
第18号「復興構想会議の答申(内閣官房)」他
第17号「東日本大震災関連専門調査会設置(中央防災会議)」他
第16号「震災関連第1次補正予算の成立(首相官邸)」他
第15号「震災復興関連の補正予算(財務省他)」他
第14号「原子力災害に関する正確な情報把握と行動(首相官邸。文部科学省)」他
第13号「大雪による死者、13道県で81人に(総務省消防庁)」他
第12号「東海地震観測情報」の新たな名称等(気象庁)」他
第11号「新しい公共」に関するNPO優遇税制(財務省、国税庁、地方公共団体)」他
第10号「猛暑による熱中症死者の激増(総務省消防庁)」他
第9号「熱中症による搬送状況(総務省消防庁)」他
第8号「グループホームの防災対策(総務省消防庁、国土交通省、厚生労働省)他
第7号「消防団の充実強化対策(総務省消防庁)」他
第6号「大気中の二酸化炭素濃度について(気象庁)」他
第5号「水防月間(国土交通省)」他
第4号「新しい公共」・NPO法人への寄付(内閣官房)」他
第3号「新しい公共」の具体化(内閣官房)」他
第2号「消防職員の団結権(総務省消防庁)」他
第1号「平成22年度消防庁予算(総務省消防庁)」他
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■ リスクマネジメントの観点から見た防災災害情報

  提供:株式会社アーネストプレイス

  出典:東京海上日動リスクコンサルティング株式会社

 

  ■(平成29年7月13日公開)
  □ 2016年福島県沖を震源とする地震および津波について
  □ 糸魚川市大規模火災の教訓と対策
  □ 2016年の地震災害を振り返って ~内陸活断層地震のリスクを正しく知る~

 

 ■(平成29年1月11日公開)

  □ リスクマネジメントにおける地理情報システムの活用
  □ リスクマネジメントにおける地理情報システム活用最新動向
  □ 浸水想定区域図から学ぶ~水防法の考え方と企業における活用方法~
  □ インド南部タミル・ナド州で発生した洪水について

 

 ■ (平成28年7月8日公開)

  □ 消防点検だけでは安心できない建物の防火管理

  □ 平成28年熊本地震の被害について ~内陸活断層地震のリスク~

  □ 平成28年熊本地震の特徴と企業に求められる地震対策