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防災評論 第28号

 山口明の「防災・安全 ~国・地方の動き~」

防災評論家 山口 明氏の執筆による、「防災・安全 ~国・地方の動き~」を掲載致します。防災対策を中心に、防災士の皆様や防災・安全に関心を持たれている方々のために、最新の国・地方の動きをタイムリーにお知らせすることにより、防災士はじめ防災関係者の方々の自己啓発や業務遂行にお役立てて頂こうとするものです。今後の「防災・安全 ~国・地方の動き~」にご期待下さい。

 

第28号

 

【目次】

〔政治行政の動向概観〕       

〔個別の動き〕

 

1、「南海トラフ」集団移転対策、「首都直下」地方に拠点(中央防災会議)
2、消防法の改正(総務省消防庁)
3、蓄電池等の電気設備導入への助成(経済産業省、東京都)
4、津波マイ避難マニュアル(宮城県岩沼市)
5、津波警報の改善-平成25〔2013〕年3月から-(国土交通省、気象庁)
6、竜巻、積乱雲対象(気象庁、建築研究所、気象研究所)
7、「地震 その時10のポイント」の見直し(東京消防庁)
8、気象情報 急ぎは短文で(気象庁)
9、緊急地震速報的中率の向上(気象庁)
10、高速ツアーバスの安全情報(国土交通省)
11、災害時協力協定を締結(江戸川区) 

〔防災短信〕

 

 

〔政治行政の動向概観〕

 梅雨が明けると夏が来る。日本列島の通常の営みであるが、その間の落差が年々厳しくて、そして激しいものになりつつあるという実感は誰もが持つ。今年(平成24〔2012〕年)も梅雨末期の 7月に、またしても大量の長雨により九州を中心に大水害・土砂災害が国土を襲い、30名もの死者・行方不明者と多数の避難者・けが人を発生させた。
 今年の梅雨豪雨の特色は、1回当たりの降雨量が100~200 ミリと桁違いに多いことに加え、梅雨前線の南北方向へのスライドが繰り返されたことにより、九州の熊本、大分等の同じエリアが何度も豪雨禍に巻き込まれ、被害も避難生活も長期化したことにある。特に、九州に前線がかかり続けたことについて、東シナ海の水温上昇とそれをもたらす中国大陸での環境破壊が原因とする説も浮上し、今後、同様の気象状況が常習化して九州が災害常習地にならないかが懸念される。
 更に梅雨明けの日本にもたらされた猛暑は、九州、東北の被災地のみならず日本全国を苦しめ、 36~38 ℃の最高気温が続く中、多くの児童・高齢者などが病院に搬送され、一部に死者が出るほどの過酷さとなっている。
 このような気象変動の激化はいわゆる地球温暖化に由来するものと考えられるが、皮肉なことに東日本大震災前は対策の切り札とも言われた原子力発電所の再稼動問題が、“節電の夏”の到来とともに大きな争点となっている。関西地方の地獄絵模様を回避すべく、関西電力の福井県大飯原子力発電所 3・4号機については、政府、地元の判断により平成24〔2012〕年7月から稼動し、一息ついた形となったが、東京電力の電源確保努力により、今年は計画停電を回避できそうな関東地方においては、昨年のことを忘れたかのように総理大臣官邸前で金曜日ごとに反原発の大規模デモが繰り広げられ、与党元首相もこれに参加するなど異様な事態になっている。
 安全保障の分野では尖閣諸島関連が台風の目となって中国の脅威論が声高に唱えられる中、 平成24〔2012〕年7月に米海兵隊の最新輸送機オスプレイが日本に搬入された。しかし、オスプレイの事故歴が目立つことから、その運用について沖縄・山口両県の配備先の地元関係者だけでなく全国で反対機運が盛り上がっている。“防災・危機管理は総合対策”といわれるように、一つの事象にのみにとらわれてその他の事象を取捨し、もって極端な行動を取ることは危険とされる。昨今の世相に見られる「異常気象」VS「原発稼働」、「安全保障」VS「個別機事故」という相反事象の衝突を国民の安全サイドに立って、どのように調整して最適な国家像を形成していくのかが厳しく問われている。もっともこれほど大きな課題でなくても、類似の事象はわれわれの日常のあらゆる場面に散見される。
 防災士は、常にバランス感覚を養いつつ地域の安全リーダーらしいイニシアディブを発揮し、災害や危険事象に対して適正に家族や住民を導いてゆく役割の発揮がますます期待される。

 

〔個別の動き〕

1、「南海トラフ」集団移転対策、「首都直下」地方に拠点(中央防災会議)

 「南海トラフ巨大地震」と「首都直下地震」への対策を検討してきた国の中央防災会議の2つの作業部会が、それぞれ中間報告をまとめた。高さ10メートル以上の津波が11都県を襲うと想定される南海トラフ巨大地震を「東日本大震災を超え、国難とも言える巨大災害」と位置付け、集団移転などの対策を提示した。また、首都直下地震については「我が国の存亡に関わるもの」として、東京圏以外で政府業務を継続する拠点の設置を検討するよう提言した。
 南海トラフ巨大地震の津波対策としては、海岸堤防だけに頼らずに「住民避難」を基本とし、学校などの重要施設の強化・配置の見直しを必要とした。また、最大級の津波に対して、避難が困難で、住民合意がある場合は「中長期的に住居等の集団移転も有効な方策」で、今後、津波に強い地域構造の構築が必要だと指摘した。更に、南海トラフ巨大地震対策大綱(仮称)を策定し、地域全体が統一的、実効的な対策を推進できる特別法の制定に向けても具体的な検討を求めた。
 一方、首都直下地震への対策としては、各府省庁の業務継続計画のほか、政府全体の基本方針が必要だと提言し、官邸やその周辺が被災した場合には、立川広域防災基地に緊急災害対策本部を置き、各府省庁の代替拠点も同基地周辺に集積させることを基本とした。一方で、東京圏が壊滅的に被災した場合も想定し、大阪や名古屋、札幌、福岡、仙台などの代替拠点設置も検討課題に挙げた。

 

2、消防法の改正(総務省消防庁)

 最近における火災の実態などに鑑み、火災被害の軽減に向けて火災予防対策の実効性の向上を図る目的のため、消防法の一部改正が行われた。改正消防法は平成25〔2013〕年4月1日から施行される。その概要は、次の通りである。

①雑居ビル等における防火・防災管理体制の強化

 高層建築物などで管理について権限が分れているものについては、その管理について権限を有する者に、当該建築物全体の防火管理業務を行う統括防火管理者を協議して定めることを義務付け、統括防火管理者に当該建築物全体の消防計画の作成、避難訓練の実施、廊下などの共有部分の管理などを行わせることとした。

 また、高層建築物などのうち多数の者が出入する一定の大規模な建築物については、当該建築物全体の防災管理業務を行う統括防災管理者についても定めることとした。

②消防機関による火災調査権の拡大

 火災の原因調査のため、消防機関が、火災の原因であると疑われる製品の製造業者に対して資料提出等を命ずることができることとした。

③消防用機器などの違法な流通を防止するための措置の拡充

 消防用機器等の違反な流通を防止するために、検定に合格していない消防用機器等に係る総務大臣による回収命令制度を創設するほか、罰則の引き上げ等を行うこととした。

 今回の法改正により雑居ビルに統括防火管理者制度が導入され、防火・防災管理の権限はより一層強化される。

 防災士は、併せてこれらの関係資格を取得することにより、事業所における防災リーダーとしての任務をより強化して欲しい。

 

3、蓄電池等の電気設備導入への助成(経済産業省、東京都)

 福島第一原子力発電所の事故で、定期点検に入った全国の原子力発電所が、地域自治体や住民の「再稼働反対」の声により次々と停止に追い込まれ、今年(平成24〔2012〕年)の夏は全国的に電力不足が懸念される。そこで、企業・一般家庭ともに大きくクローズアップされるのが節電対策である。
 企業や家庭における、節電や電力不足による突然の停電を防止するための対策として現在、注目されているものが「蓄電システム」であり、政府は、この蓄電システムを一般家庭や事業所に導入するための経費の補助を開始した。
 これは「定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金」事業で、予算額は210億円、対象期間は平成24〔2012〕年3月30日から平成26〔2014〕年3月31日までである。蓄電システムを導入する個人、法人あるいはリース事業者等を対象に、個人には100万円、法人には1億円を上限に費用の3分の1を補助する。発電システムとして、現在、太陽光が注目を集めているが、東京・東北電力管内を対象とした「平成24〔2012〕年度自家発電設備導入費用助成事業」もある。これは、平成24〔2012〕年9月28日までに自家発電設備やコージェネレーション、蓄電池を設置した中小企業を対象に単独で3分の2(限度額2,000万円)、グループで4分の3(限度額5.6億円)を補助する、というもので、事業規模は約100億円である。
 これに合わせ、東京都はこれまで太陽光発電システムを導入する家庭に助成してきたが、電力不足への対応や防災機能の強化を一段と支援する必要があると判断し、節電を目的に蓄電池を購入する一般家庭を対象に補助金を与える事業を始めて、家庭用蓄電池の標準モデルの出力1キロワットタイプで10万円を助成する。本事業は、国の補助対象にも指定され、都内に新たに設置された住宅用蓄電システムが対象となる。
 防災士は、単に防災知識や防災訓練・研修だけでなく、このような防災に係る制度の取得、普及にも力を入れ、地域や事業所内でその存在感を高めることが肝要である。

 

4、津波マイ避難マニュアル(宮城県岩沼市)

 登下校時の津波被害などを想定し、児童・生徒に個別の避難マニュアルを作らせる取り組みが、東日本大震災で被災した宮城県岩沼市で始まる。自宅がある地域や通学ルートなど、個々の事情に応じ、あらかじめ避難場所を決めておく仕組みで、これに合わせ岩沼市の玉浦小学校では、通学路をおおむね4区間に分割し、区間ごとに避難先を決めて、親子で通学路を歩いてもらい、併せて防災意識の向上にもつなげる狙いがある。完成したマニュアルは学校と家庭で保管する。同市の玉浦中学校では授業の中で作成する予定である。
 保護者や学校側にとっても、登下校時などに災害が発生した場合、子どもたちの避難場所が特定しやすくなる。文部科学省は、「登下校時の避難の指導は学校側に求めているが、個別にマニュアル作りをする事例は非常に珍しい」と指摘している。
 教員が防災士資格を取得し、全国にこのような運動を広めるべきであろう。

 

 

5、津波警報の改善-平成25〔2013〕年3月から-(国土交通省、気象庁)

 気象庁は、津波の高さの表現方法等を改善した津波警報について、平成25〔2013〕年3月から運用を始めると発表した。平成24〔2012〕年度中の開始を目指していたが、情報を受け取る都道府県など防災機関のシステム改修に時間がかかると判断したためである。
 新しい津波警報では、津波の規模が不確定な場合、第1報は津波の高さを数値でなく「巨大」、「高い」などの言葉で表現する。その後は、予想される高さ区分の高い方の数値を発表する。津波の高さ予想が「1メートル」(20センチ以上1メートル以下)の場合は津波注意報、「3メートル」(1メートル超3メートル以下)の場合は津波警報、3メートルを超える場合は大津波警報とする。警報には「直ちに高台に避難」などの解説文も盛り込み、避難を促すようにしている。
 一方、海水浴場の利用客らに対し、津波警報が出たことを旗などで視覚的に伝え避難を呼び掛ける手法は、旗の色などが統一されていなく、導入済みのケースも少ないことが平成24〔2012〕年7月21日までの気象庁の調査で分かった。また、海上では風の影響でサイレンや防災無線は聞こえにくい。
 東日本大震災後に実施した、海岸のある都道府県と市町村を対象にしたこの調査によると、サイレン、音声での避難呼び掛けを導入(計画含む、以下同)したとの回答が372件と最多で、視覚的な手法を導入が35件、うち音声と視覚的方法の両方が33件だった。「避難呼び掛けの手法を整備していない」との回答も26件あった。
 視覚的手法を導入と回答した自治体に具体的な内容を尋ねた結果(複数回答)は、赤旗16件、オレンジ色の旗13件、赤色回転灯4件、黄色の旗と電光掲示板、赤色発煙筒がそれぞれ3件などであった。危険を知らせる国際信号旗(U旗)という一般になじみのない回答も2件あった。これを受け、国土交通省と気象庁は、津波警報などの伝達手法の統一に法令整備を含めて検討する。
 気象庁は、ホームページ(HP)の地図上に津波や気象関係の警報・注意報が出た場所を示す色を平成25〔2013〕年3月から改善する。特に警戒を要する情報を、これまで使っていなかった「紫」で表示し、警報クラスは「赤」、注意報クラスには「黄」を用いる。大津波警報が出た海岸線の色は現在の「赤から紫」に、津波警報は「オレンジから赤」に変更する。注意報は「黄」で変更はない。大津波警報は、着色した海岸線のラインも太くして見やすくする。
 土砂崩れなどの危険性が高い「土砂災害警戒情報」が出た地域を「紅白のしま模様」から「紫と黒のしま模様」に変更する。警報は「赤」、注意報は「黄」で変更はない。
 色覚障害者が判別しにくいとされる「赤」と「緑」を、同じ図の中で使うのは避ける。大雨など数値が高くなるほど危険度が増す情報を示す色は、危険な方から「紫、赤、オレンジ、黄」の順となる。
 台風情報で暴風域に入る確率を示す画面や雨の強さを示すレーダー画面、震度分布、地域気象観測システム(アメダス)の気温分布の色合いも変える。

 

6、竜巻、積乱雲対象(気象庁、建築研究所、気象研究所)

 気象庁は、平成24〔2012〕年7月8日、茨城県つくば市などで同年5月6日に発生した竜巻について、竜巻の強さを6段階で示す藤田スケール(F5~F0)で上から3番目に当たるF3(5秒間の平均風速が秒速70~92メートル)だったと発表した。
 日本ではこれまで1段階上のF4以上が確認されたことはなく、国内の観測史上で最強クラスの竜巻となる。また、独立行政法人建築研究所(茨城県つくば市)は、竜巻に襲われたつくば市内で、被災した建築物の実態調査を行った。その結果、木造家屋の被害が特に大きく、建物全体が破壊されたり、土台ごと吹き飛ばされたりしているケースが確認された。
 こうした状況について、同研究所は、床下などから垂直に吹き上げた風圧と水平方向に吹く渦巻状の風圧が複合するなどして家を破壊し、破片などを上空に巻き上げたと分析している。
 これらを受け、気象庁は、竜巻等の突風の予測情報を改善するため、有識者らによる検討会を開いて、技術向上や住民への情報伝達のあり方などについて報告する。同庁によると、竜巻の発生場所や時間を正確に予測するのは極めて難しく、同庁は「気象情報」や「竜巻注意情報」などで段階的に発表しているが、5月6日の竜巻ではこれらの情報が十分に活かされなかった。
 一方、風に乗って運ばれる昆虫を気象レーダーで追跡し、夏の豪雨をもたらす積乱雲が生まれる現場を突き止めることに、気象研究所などのグループが成功した。積乱雲の発生を予測する技術につながる成果として注目されている。
 積乱雲は、風が集まった場所で上昇気流ができると発生する。研究グループは平成23〔2011〕年8月7日午後、東京西部の上空約500メートルに全長1ミリ程度の昆虫等が滞留しているのを、羽田空港の気象レーダーでとらえた。東京湾からの冷たい海風と陸の暖かい空気がぶつかる場所に、風に流されてきたホソハネコバチやクモが滞留したものとみられ、そこで積乱雲が発生したことも確認した。昆虫等の体内の水分が、雨滴と同じようにレーダーの電波を反射したからである。
 また、最初にできた積乱雲から、冷気が雨とともに吹き出し、これに乗って昆虫等が移動する様子も追跡し、冷気が次々と新しい積乱雲を発生させたり、積乱雲を大きくしたりする場所も確認した。この日、一帯は豪雨や落雷被害に見舞われた。小さな昆虫等は自力で飛ぶのでなく、風で浮遊するので、風の動きを可視化する手段になると期待されている。

 

7、「地震 その時10のポイント」の見直し(東京消防庁)

 東京消防庁では、東日本大震災で顕在化した地震の揺れの際の都民の行動を教訓として踏まえ、長周期地震動発生時の対応や地震に伴う各種災害からの安全な避難行動など、新たに都民に対し行動の規範を示す必要性が生じていることから、同庁のホームページにも掲載されている「地震その時10のポイント」を4年ぶりに見直した。
 見直しのポイントは、「地震時の行動」について、項目のタイトルを以前からの「グラッときたら身の安全」から緊急地震速報を取り入れた「地震だ!まず身の安全」に更新し、説明文には長周期地震動を踏まえて高層階での注意点に関する記述を加えた。
 「地震直後の行動」については、記述内容を整理し、従来の「落下物 あわてて外に飛び出さない」を「あわてた行動 けがのもと」に統合した。
 また、「地震後の行動」の項目に火災や津波の際の避難に関する項目「火災や津波 確かな避難」を新たに加えた。

 

8、気象情報 急ぎは短文で(気象庁)

 気象庁は、気象災害が予想される際に防災機関などに出す「気象情報」について、危険性が切迫している場合は、従来の長文形式でなく、「これまでに経験したことのない大雨、明るいうちに避難、身の安全を確保してください」などの短文で伝える。平成23〔2011〕年の紀伊半島豪雨などを教訓に改善を決定した。大雨シーズンが本格化する6月下旬からの運用を開始し、さっそく今年の梅雨豪雨で適用された。
 改善後の情報は、「〇〇豪雨に匹敵する大雨」、「3日間の雨量がこの地域での1年分の雨量」など理解しやすいデータを用いる。タイトルも、「大雨に関する全般気象情報」などから「記録的な大雨に関する情報」などと分かりやすくする。
 気象情報は、大雨や突風など被害を伴う激しい気象現象が数日以内に予想される場合、警報を補完するために発表する。広範囲が対象の「全般情報」、関東、近畿など地域ごとの「地方情報」、都道府県(北海道、沖縄県は地方単位)ごとの「府県情報」がある。
 防災士は、これらの用語の使い方とその意味付けについてよく習熟しておく必要がある。

 

9、緊急地震速報的中率の向上(気象庁)

 気象庁が平成23年〔2011〕年度中に発表した「緊急地震速報」で「的中した」とする地域の割合は56%となり、平成22年〔2010〕年度の28%から一気に改善された。
 同庁によると、速報は、最大震度5弱以上と予測した地震で、震度4以上の揺れが想定される地域に出す。結果的に予測した震度の「プラスマイナス1以下」を観測した場合を「的中」とし、その地域の割合を出した。
 平成21年〔2009〕年度は76%と高かったが、東日本大震災で余震が相次いで発生したことで、ほぼ同時に起きた複数の地震を一つの大きな地震と誤って判断するケースが多発し、的中率が下がっていた。だが、小規模地震を計算から除外するようプログラムを改修したところ、再び上がった。
 平成27年〔2015〕年度までの目標を、85%以上として、同庁は今後も改善をめざす。

 

10、高速ツアーバスの安全情報(国土交通省)

 高速ツアーバス事故の再発防止を協議する国土交通省は、ツアーを企画する旅行業者などに対し、交代運転手の配置予定を含む安全情報を、ツアー参加者に明示するよう指導するとともに、旅行業者と貸し切りバス事業者が共同で安全確保に取り組む協議会の設置も促す。
 運転手の人数や任意保険の加入の有無、運行距離などの情報を、インターネットの販売サイト上などに記載するよう求め、国交省のホームページでは、業者が提示した情報と運行状況が違う場合に通報できる窓口も設ける。
 安全確保に向けた情報共有や勉強会などを実施する協議会を、旅行業者と貸し切りバス事業者で組織することも提案しているほか、交代運転手の配置指針や過労運転防止対策についても対策が打ち出された。

 

11、災害時協力協定を締結(江戸川区)

 東京都江戸川区は、災害発生直後の避難所の安全点検業務などで、建築士や大工で組織する6団体と災害時協力協定を新たに結んだ。発災後、避難所となる小・中学校の校舎や体育館などの建物の安全確認作業に民間建築士に加わってもらうことで、速やかに避難所を開設できるようにする狙いだ。
 震度5強以上の地震発生直後、3団体に所属する建築士が避難所に指定されている区内の106の小・中学校に駆けつけて建物の安全性を確認する。
 従来は区の建築技術職員74人が2人1組になり、災害時に避難所となる区内の全小・中学校の建物の被災状況を点検する体制だった。1組当たり3、4校を回るため、災害発生から短時間で各避難所を開設することが難しいことから、協力体制を組み安全確認の時間を短縮する。
 一方、同区内を活動範囲とする東京土建一般労働組合江戸川支部、東京建設従業員組合、首都圏建設産業ユニオン城北支部の3団体と江戸川区は、「被災住宅の相談窓口の設置」の協定を締結した。
 今後、日本防災士会の各地方支部も自治体とこのような協定締結を勧めることを促進することが望ましい。

 

 

【参考文献】

1、平成24〔2012〕年6月20日  『読売新聞』朝刊
2、平成24〔2012〕年6月27日  『消防庁長官通知』
3、平成24〔2012〕年5月  9日  『日本経済新聞』朝刊

『UGM-NEWS』7月刊行

4、平成24〔2012〕年5月17日  『読売新聞』夕刊
5、平成24〔2012〕年5月17日  『日本経済新聞』朝刊 同5月21日夕刊、同5月25日夕刊
6、平成24〔2012〕年6月  9日  『日本経済新聞』朝刊 同5月10日朝刊
  平成24〔2012〕年5月15日  『読売新聞』朝刊 同5月26日夕刊
7、平成24〔2012年〕7・8月号  『自主防災』、東京防災救急協会
8、平成24〔2012〕年5月19日  『日本経済新聞』夕刊
9、平成24〔2012〕年5月13日  『読売新聞』朝刊
   平成24〔2012〕年5月31日  『日本経済新聞』朝刊
10、平成24〔2012〕年6月  7日  『日本経済新聞』朝刊
11、平成24〔2012〕年5月19日  『日本経済新聞』朝刊

防災短信~各見出しを参照

 

 

 

 

山口明の防災評論 一覧

ナンバー年月題名
第84号1平成29年7月号ドクターヘリ 基準緩和(国土交通省)他
第83号平成29年6月号災害派遣職員、地元優先で(中央防災会議)他
第82号平成29年5月号山岳ヘリ救助 有料に(埼玉県)他
第81号平成29年4月号被災地の活動で20個人・団体顕彰(復興庁)他
第80号平成29年3月号家屋被害認定 兵庫に学べ(兵庫県)他
第79号平成29年2月号噴火警戒レベル低くても対策(内閣府)他
第78号平成29年1月号普及急げ 救急相談電話(消防庁)他
第77号平成28年12月号「海抜ゼロ」避難計画検討へ(中央防災会議)他
第76号平成28年11月号全国17火山の避難計画を策定へ(内閣府)他
第75号平成28年10月号「東海」南西側にひずみ蓄積(海上保安庁)他
第74号平成28年9月号震度6弱以上30年以内の確率 南海トラフ沿い上昇(文部科学省)他
第73号平成28年8月号熊本地震 九州で文化財被害300件超(文化庁)他
第72号平成28年7月号危険踏切58か所 初指定(国土交通省)他
第71号平成28年6月号災害時の業務継続計画 市区の66%未整備(地方公共団体)他
第70号平成28年5月号長周期地震動の「階級4」を国内初観測 震度6強の余震で(気象庁)他
第69号平成28年4月号帰宅困難者対策進まず(地方公共団体)他
第68号平成28年3月号市民標的テロ対策強化(警察庁)他
第67号平成28年2月号火山3割が携帯通信に「不安」(気象庁)他
第66号平成28年1月号火山列島ニッポン、活動期に(京都大学・気象庁)他
第65号平成27年12月号水害被災地に物資提供 都内自治体、連携の輪(東京都)他
第64号平成27年11月号震災避難20万人以下に(復興庁)他
第63号平成27年10月号マンション管理組合を防災組織と位置づけ(総務省)他
第62号平成27年9月号「6強で倒壊」814棟(文部科学省)他
第61号平成27年8月号復興事業4分類 一部地元負担へ(復興庁)他
第60号平成27年7月号救急隊、外国語で対応へ(消防庁)他
第59号平成27年6月号医療拠点 8割近く耐震化(厚生労働省)他
第58号平成27年5月号学校に避難 ルール課題(文部科学省)他
第57号平成27年4月号「使い捨て」観測衛星(内閣府、文部科学省、防衛省)他
第56号平成27年3月号高潮マップ8割超が「未作成」(国土交通省)他
第55号平成27年2月号住宅用火災警報器の設置率79.6%(総務省消防庁)他
第54号平成27年1月号被災者に家賃給付を(内閣府)他
第53号平成26年12月号緊急避難場所 指定31%(読売新聞社)他
第52号平成26年11月号被災地に職員「応援計画」都道府県66%作らず(総務省)他
第51号平成26年10月号救急車と救命士、病院常駐で威力(消防庁)他
第50号平成26年9月号政府が国土強靭化計画東京一極集中を脱却(内閣府)他
第49号平成26年8月号違法貸しルーム、火災防止へ(国土交通省、消防庁)他
第48号平成26年7月号避難勧告、自治体向け新指針決定(内閣府・消防庁)他
第47号平成26年6月号倒壊家屋5割減目標(内閣府)他
第46号平成26年5月号防災リーダー育成支援(内閣府)他
第45号平成26年4月号橋・トンネル点検義務に(国土交通省)他
第44号平成26年3月号首都直下型地震「死者23000人」(中央防災会議)他
第43号平成26年2月号復興予算、22%が未使用(会計検査院)他
第42号平成26年1月号地震時「危険」23区に集中(東京都)他
第41号平成25年12月号火災避難にエレベーター(東京消防庁)他
第40号平成25年11月号局地豪雨が激増(東京は昨年の3倍)(ウェザーニュース)他
第39号平成25年10月号津波予報、民間へ開放(気象庁)他
第38号平成25年9月号東海地震予知「困難」(内閣府調査部会)他
第37号平成25年8月号災害弱者名簿の掲載率(地方公共団体)他
第36号平成25年7月号水、食料備蓄学校の「3割」(文部科学省)他
第35号平成25年6月号南海トラフM8以上「60~70%」(地震調査委員会)他
第34号平成25年5月号「被災者の自殺者対策」(警察庁、地方公共団体)他
第33号「南海トラフ海底調査へ(文部科学省)」他
第32号「津波「巨大」すぐに避難を~新警報7日開始~(気象庁)」他
第31号「救急搬送の増加(総務省消防庁)」他
第30号「平成25〔2013〕年度予算の概算要求(防災・安全) 」他
第29号「災害関連死66歳以上9割(復興庁)」他
第28号「南海トラフ」集団移転対策、「首都直下」地方に拠点(中央防災会議)」他
第27号「災害対策基本法の改正~災害時 国・都道府県の役割強化(内閣府)」他
第26号「南海トラフ巨大地震の評価(内閣府)他
第25号「防災士養成数5万人を突破、小・中学校教職員に防災士資格取得義務化(日本防災士機構、松山市)他
第24号「首都直下型地震の発生確率(地震調査委員会)他
第23号「津波警報 表現に切迫性(気象庁)他
第22号「津波防災地域づくり法」が成立(国土交通省)他
第21号「東日本大震災関連第3次補正予算(内閣、財務相)他
第20号「台風12号の被害と避難勧告(地方公共団体)他
第19号「原発の津波対策とコスト(原子力安全委員会、原子力委員会)他
第18号「復興構想会議の答申(内閣官房)」他
第17号「東日本大震災関連専門調査会設置(中央防災会議)」他
第16号「震災関連第1次補正予算の成立(首相官邸)」他
第15号「震災復興関連の補正予算(財務省他)」他
第14号「原子力災害に関する正確な情報把握と行動(首相官邸。文部科学省)」他
第13号「大雪による死者、13道県で81人に(総務省消防庁)」他
第12号「東海地震観測情報」の新たな名称等(気象庁)」他
第11号「新しい公共」に関するNPO優遇税制(財務省、国税庁、地方公共団体)」他
第10号「猛暑による熱中症死者の激増(総務省消防庁)」他
第9号「熱中症による搬送状況(総務省消防庁)」他
第8号「グループホームの防災対策(総務省消防庁、国土交通省、厚生労働省)他
第7号「消防団の充実強化対策(総務省消防庁)」他
第6号「大気中の二酸化炭素濃度について(気象庁)」他
第5号「水防月間(国土交通省)」他
第4号「新しい公共」・NPO法人への寄付(内閣官房)」他
第3号「新しい公共」の具体化(内閣官房)」他
第2号「消防職員の団結権(総務省消防庁)」他
第1号「平成22年度消防庁予算(総務省消防庁)」他
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