防災士の認証と防災士制度の推進で地域社会の防災力向上に寄与する

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防災評論(第98号)

山口明の防災評論(第98号)【2018年9月号】

山口明氏による最新の防災動向の解説です。
〈解説〉とあるのは山口氏執筆による解説文、〈関連記事〉はそのテーマに関連する新聞記事の紹介です(出典は文末に記載)。
防災士の皆様が、引用、活用される場合はご留意の上、出典を明示するようお願いします。

1、プッシュ型支援指示〈西日本豪雨〉

〈解説〉
 プッシュ型支援は、大規模な地震や水害などの発生時、政府の判断で必要不可欠と見込まれる物資を送るシステム。東日本大震災で支援物資が迅速に行き渡らなかった反省を踏まえ、2012年6月に改正した災害対策基本法に盛り込み、2016年4月の熊本地震で初めて本格実施された。
 救援物資は被災市町村からの要請に基づき、政府等や日赤など関連機関から送り込まれるが、市町村が応急対応に追われ、必要かつ十分な救援物資の内容、量がつかめず被災対応が遅れてしまう場合がある。その反省により創設されたもの。
 しかし、政府側でも被災地のニーズが適切に把握できず、大量の余剰物資が一方的に送りつけられるときがあるという問題点も指摘されている。防災士会などが仲介役となって、従来型とプッシュ型とをベストミックスした救援体制を構築することが期待される。

〈関連記事〉
 官邸で開いた西日本豪雨の非常災害対策本部会議で、被災地支援のために平成30年度予算の予備費を活用して、被災地からの要請を待たずに水や食料、仮設トイレなどの物資を送る「プッシュ型支援」を強化するよう指示した。予備費は約20億円規模になる見通し。
 各省庁の事務次官級で構成する被災者生活支援チームの会合も開かれた。チームは①支援物資の供給と物流確保②被災自治体への職員派遣③避難所の環境整備や仮設住宅の確保――に取り組む。
 今回の西日本豪雨では、7月9日時点でパンと飲料水を被災地に送り、避難所への仮設トイレやクーラーも設置。コンビニエンスストアなどへの輸送車両を緊急車両扱いにした。今後、状況を見ながら支援物資の品目を増やし、送る地域も拡大する。
(2018年7月11日付 産経新聞)



2、バックビルディング現象と線状降水帯〈西日本豪雨〉

〈解説〉
 バックビルディング現象は、複数の積乱雲が帯状に連なる線状降水帯の発生メカニズムの一つ。西日本豪雨のケースでは、南と南西から流れ込んだ暖かく湿った空気が上空で衝突し、上昇気流が生まれて積乱雲を形成。その流れが何度も繰り返され、「積乱雲の寿命は30~60分程度」にもかかわらず、複数の積乱雲が連続して通過することで大雨が降り続いた。2015年9月の関東・東北豪雨、昨年7月の九州北部豪雨なども同現象が原因とされる。
 また今回、線状降水帯を形成した積乱雲の最大高度は約7キロで、2014年8月の広島の豪雨や九州北部豪雨と比べると半分以下。そのため、上空の風の影響を受けにくく、進行速度が遅くなり、降水量の増加に拍車をかけた。
 バックビルディングは一般的には局所的な現象だが、今回は広い範囲で複数発生した珍しい状況である。
 防災士はこれら用語について熟知するとともに、豪雨時の積乱雲の動きに注意したい。

〈関連記事〉
 西日本豪雨では、同じ場所の上空で新しい積乱雲が次々と生じる「バックビルディング現象」が発生し、通常は短時間で通り過ぎる積乱雲が数珠つなぎになって線状降水帯を形成したため、長時間にわたって同じ地域に大雨をもたらしたことが分かった。
 防災科学研究所は国土交通省と気象庁のレーダー観測データを基に、当時の雲の様子を再現した立体映像を作成。それによると、大きな被害が出た広島県付近で6日午後5~9時にかけ、上空で発生した積乱雲が風下の北東に移動した後も、ほぼ同じ場所で連続して別の積乱雲が発生し、同じ方向に進む状況が確認された。
(2018年7月11日付 産経新聞)



3、洪水ハザードマップの問題点〈西日本豪雨〉

〈解説〉
 洪水ハザードマップは、水防法に基づき、国や都道府県などの河川管理者が洪水の危険性が高いとして指定した河川が流れる流域の市区町村が作製する、浸水の想定域や規模、地区ごとの避難場所や避難ルートなどを記載した地図。2005年、氾濫の恐れがある河川を抱える市区町村に作製と住民への周知が義務づけられた。2017年3月時点で対象は全国1,331市区町村。うち約98%が作製済みだった。
 国土交通省は自治体向けの手引でマップを使った避難訓練や説明会を日ごろから開催するよう要請。パソコンやスマートフォンで閲覧できるような工夫も呼びかけている。

〈関連記事〉
 西日本豪雨で4分の1が冠水した岡山県倉敷市真備町地区は想定される浸水区域や避難場所をまとめた「洪水・土砂災害ハザードマップ」を2016年に作製していた。今回浸水した区域と予測した区域はほぼ同じで想定内だったが、多数の犠牲者が出た。「見たことがない」という住民もおり、市からは「繰り返し確認を促すべきだった」との声も出ている。
 「ハザードマップは一度も見たことはなかった」。真備町地区を流れる小田川が決壊した堤防近くに住む住民は悔やむ。倉敷市が6日に流した避難指示の放送は聞き取れなかった。実際に川を見に行くと水位は高くなく、その日は自宅で過ごした。
 7日未明に堤防は決壊。数分後に自動車で避難を始めたが、渦を巻きながら水が迫り、間一髪で逃れた。(中略)
 真備町地区は今回の堤防決壊で地区面積の4分の1が水没し、浸水区域はハザードマップの想定とほぼ同じ。小田川流域で「100年に1度程度」とされる「2日間で225ミリ」の雨が降った場合、地域の大半が「2階の軒下以上まで浸水する」(5.0メートル以上)と想定していた。
 マップを配るだけでなく、確認を繰り返し呼びかけるなどの対応が必要だった。(後略)
 (2018年7月12日付 日本経済新聞)



4、民泊等の消防用設備等の設置基準〈民泊新法の施行〉

〈解説〉
 訪日客の急増に伴い、ホテルや旅館など宿泊施設の不足が指摘されているが、最近では、自宅の空き部屋やアパート、マンションの居室を宿泊施設に転用するなど、いわゆる“民泊”施設が登場、宿泊先に悩む外国人観光客の“受け皿”になっている。
 観光庁の2017年7月~9月の調査では、少なくとも1泊はこの民泊を利用している観光客は7人に1人だったことが分かり、改めて民泊が注目を集めている。しかし一方で、宿泊客が夜中まで騒いだり、ごみ出しルールに従わないなど、近隣住民からの苦情が多く寄せられていることも事実である。
 政府は、こうした動きを受け、住宅宿泊事業法(民泊新法)をこの6月15日から施行、管理・運営側の義務が明文化され、遵守できない場合は業務停止や登録取り消しができるようになった。また、防災面では、消防庁が「住宅宿泊事業法に基づく届出住宅等に係る消防法令上の取扱い」と題する通知を行い、民泊もホテルや旅館などと同様に、消防設備の徹底を図っていく。
 防災士には民泊が増え、地域住民からの相談も多くなっている。特に重要な防災上の基準についてはよく理解し、周知に努めよう。

5、ウレタン「爆燃」急延焼〈多摩 5人死亡ビル火災〉

〈解説〉
 熱を伝えにくい特殊な気体をとじ込めた硬質ウレタンは主に建物の断熱材に使われ、クッション性が高い軟質ウレタンは皿洗い用のスポンジやソファの中身に使われる。硬質には燃えにくい処理を施したものもあるが、完全な不燃化はできないという。
 硬質も軟質も、木材などと比べて特に引火しやすいわけではなく、火花を多少浴びた程度では燃えない。ところがいったん引火してしまうと、ウレタンが分解されて燃えやすい揮発性ガスを噴出。一気に燃え広がる「爆燃」が起き、火の回りは早い。
 今回の現場は地下だったうえに天井に断熱材のウレタンが貼ってあって熱がこもりやすく、爆燃現象が起きた可能性が高い。
2009年に発生した神戸市の倉庫火災では、天井のウレタン製の断熱材が原因で爆燃現象が起きたとされ、消防士1人が死亡した。2015年には北海道のきのこ工場で工事中にウレタンに引火し、4人が死亡した。
 また、工事現場で同様の火災が起きていたのは2017年6月。東京都江東区にある解体工事中の食品会社の物流センターで出火し、約5千平方メートルを焼いた。
 建設作業に従事する防災士は、身近にウレタンなどの危険物質が適正に管理されているか十分注意を払うべきである。

〈関連記事〉
 東京都多摩市で5人が死亡したビル建設現場火災で、鉄骨の切断作業をしていた地下3階の床に隙間があった。床の隙間から火花が落ち、階下の天井部分にある断熱材のウレタンに引火した可能性があるという。出火直後に停電が発生したことも判明。暗闇で黒煙に巻かれて避難が遅れ、多数の死傷者が出たとみられる。
 警視庁は業務上過失致死傷の疑いで、当時の安全管理状況などを詳しく調べている。
 当時地下3階で不要になった鉄骨を搬出するため、ガスバーナーで切断する作業をしていた。1人が切断し、もう1人が火花を水で消すよう警戒していた。地下4階に火花が落ちた場合は、消し止める役割を現場責任者が担っていた。
 切断作業前に、ウレタンに引火しないよう床にベニヤ板と不燃性のシートを敷き、周辺には水もまいていたという。
 しかし、地下3階の床には複数の隙間があり、何らかの原因で火花が落ち、地下4階の天井部分にあるウレタンに引火した可能性があるという。作業員は「水や消火器で消そうとしたが火の回りが早く間に合わなかった」と話している。警視庁などはウレタンへの引火が早期に燃え広がった要因とみている。(後略)
(2018年7月28日付 日本経済新聞)



6、国の防災組織のあり方〈防災省やFEMA〉

〈解説〉
 9月に実施された自民党総裁選でも昨今の相次ぐ大災害の発生に絡み、「防災省」を創設して専任大臣(現在は警察と兼任)と専門独立組織を置くべきとの主張もみられた。この“手本”ともいうべき組織は米FEMA(連邦緊急事態管理庁)である。しかし、このFEMAは過大評価されている。米国メキシコ湾岸を襲ったハリケーン・カトリーナの際、FEMAの避難誘導に関する無策で1,000人以上の死者を出してしまった。災害対策はなんといっても防災士はじめ地元密着型の対応が優先されるべきである。

〈関連記事〉
 今回の西日本豪雨では、自治体の対応力や発信力、調整力にかなりの差がみられた。甚大な水没被害に遭いながらも、日ごろの防災訓練の成果で人的被害を免れた町がある。ボランティアの受け入れがスムーズに進んでいる地域がある一方で、ボランティアが入れずにがれきが無秩序に積み上がったままの地域もある。
 ただし、そもそも小さな自治体の体力やボランティア頼みのがれき撤去には限界がある。大規模災害では市町村ではなく、県レベルでがれき処理やボランティアの受け入れ、送り出しの調整が必要であろう。自衛隊派遣ともなれば、国レベルで派遣の必要性や規模の見極めが必要になる。
 これまでも国は防災の観点から様々な取り組みを進めてきたが、実際の災害発生時にも国レベルで迅速に対応できる体制をつくる必要があるのではないか。
 米国には連邦緊急事態管理局(FEMA)がある。かつて日本版FEMAの創設が検討されたことがあるが「積極的な必要性は直ちに見出しがたい」として、創設は見送られた。しかし、想定される災害は大規模化している。これまでの経験を適切に生かし、災害現場での対応力と調整力を高める必要があろう。FEMA創設を再検討すべきではないか。
(2018年8月05日付 日本経済新聞)



7、臨時情報と隣接地応急対応〈南海トラフ地震〉

〈解説〉
 近いうちに起きるとされる南海トラフ地震について、連動型を想定して中央防災会議の議論が進んでいる。
 内閣府によると、1900年以降に国内外で起きたマグニチュード(M)8以上の地震96例のうち、10例で3日以内に隣接地域で同規模の地震が起きている。南海トラフの震源域でも1854年に東側で安政東海地震が起き、32時間後に西側で安政南海地震が発生した。
 気象庁は2017年11月から、南海トラフ震源域で前震などの異常が確認された場合に「地震発生の可能性が相対的に高まった」とする臨時情報を流すことにしている。確実とはいえない臨時情報に対し、自治体や住民、企業がどう対処するかが課題になっていた。
 この震源域では複数の大地震が同時あるいは連動して起こることが特に懸念されている。東海地方などを襲う東海地震、紀伊半島などが被災する東南海地震、四国などで起こる南海地震の3つだ。中央防災会議では、震源域の東側で東海・東南海地震が起きたケースを想定。地震が起きなかった四国など西側の対応を検討した。しかし、この震源域に限らず常に地震は連動するものではない。昨年の見直し以来放置されている「大震法」をどう整合性をとって改正するのか、1年を経とうとする昨今、政府の明確な方針が待たれる。

〈関連記事〉
 政府の中央防災会議は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の東半分で東海地震や東南海地震が起きたときに、被災していない西半分には一斉に警戒を呼びかける方針を確認した。津波や土砂崩れのリスクが高い地域の住民や高齢者は避難する一方、社会全体では「地震に備えつつ通常の活動をできるだけ維持する」として、安全と経済活動のバランスに配慮した。
 東側で地震が起きると、気象庁は最短で約2時間後に臨時情報を出す。政府はそれを受け、西側も含めて「防災対応を開始する必要がある」と一斉警戒を促す情報を出す方針を示した。
 各自治体は事前に作成した防災計画に基づき、住民の避難などを行う。企業は従業員の生命に危険が及ぶ場合は回避措置を取るほか、事業を続ける場合も被害の軽減や早期復旧に備える。
 防災対応の期間は「社会的な受忍の限度を踏まえ、3日や1週間程度を基本とする」と明示した。その後は地域や企業の状況に応じて警戒レベルを段階的に引き下げる。
(2018年8月07日付 日本経済新聞)



8、搬送最多7万人 直近3か月、死者138人〈熱中症〉

〈解説〉
 「熱中症」とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こすことをいう。
 重症度によって、次の3つに分けられる。
Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症
 立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になったことで生じる)、筋肉痛、筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り)、大量の発汗
Ⅱ度:病院への搬送を必要とする中等症
 頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症
 意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温(体に触ると熱い。いわゆる熱射病、重度の日射病)
 今年(2018年)はすでに西日本豪雨で200人以上死亡、さらに各地で大災害が相次ぎ、この熱中症死者を入れると災害死者500人に迫る異常事態となっている。
 防災士は身の回りに熱中症にかかりやすい環境の人がいないか声を掛け合って点検、指導を強化していくべき状況だ。

〈関連記事〉
 消防庁は、熱中症のため4月30日~8月5日の約3か月に救急搬送されたのは累計7万1,266人で、年間で過去最多だった2013年(6月1日~9月30日)の5万8,729人をすでに上回ったとの速報値を発表した。死亡したのは138人だった。
 日本列島が長期にわたり高気圧に覆われ、7月23日に埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の41.1度を記録するなど、各地で猛烈な暑さが続いたためだ。
 今月6日にも岐阜県下呂市で国内2位タイの41.0度を観測。消防庁は今後も暑い日が続くとみて、水分補給や適切なエアコンの使用といった予防策を呼び掛けている。
 今年の集計は2013年より約1か月早い4月30日に始まった。ただ、搬送者数の累計は5月分の確定値(2,427人)を差し引いても2013年をすでに上回っている。7月30日~8月5日の1週間の搬送者数は1万3,575人で、このうち死亡したのは13人だった。
(2018年8月09日付 日本経済新聞(夕刊))



9、エコノミー症候群〈北海道地震〉

〈解説〉
 エコノミークラス症候群は、航空機に長時間乗っている乗客が発症し、特にエコノミークラスで多いことから命名された。長時間下肢を動かさずに座っていると、大腿から膝の奥にある静脈に血の塊(深部静脈血栓)が生じ、その一部が血流に乗って、肺の血管を閉塞し、呼吸不全を来たす病態である。災害時は狭い乗用車内での避難生活が原因となって発症することが多い。
 防災士は被災地に赴いた際、避難所で車中泊している人を見かけたら、遠慮せず声を掛け、エコノミー症候群に注意するよう呼びかけよう。

〈関連記事〉
 北海道で震度7を記録した地震で大きな被害が出た厚真、安平、むかわの3町で、車中泊や避難所生活をする高齢者ら7人が、エコノミークラス症候群になったとみられることが、日本静脈学会の医療チームへの取材で分かった。これとは別に、厚真町の避難所から救急搬送された女性にも、同症候群の疑いがある。
 医療チームによると、3町で運動の機会が少なかったり、足にむくみがあったりする高齢者ら約100人を診察。足の静脈に血の塊(血栓)が見つかった人が16人おり、うち7人は避難生活が原因で、同症候群とみられるという。医療チームは病院での受診を勧めた。
 医師は「長期避難の影響が出ている。最悪の場合は死亡に至ることもあり、引き続き予防と検診が必要だ」と話した。
 一方、消防によると、厚真中央小に設けられた避難所で、無職女性(83)が立ち上がろうとした際にふらついて転倒、病院に運ばれた。肺血栓塞栓症と診断され、同症候群の疑いがある。(後略)
(2018年9月20日付 日本経済新聞)



10、特別警報の周知不足〈発令対象市町村〉

〈解説〉
 気象庁は、2013年8月30日より「特別警報」の運用を開始した。気象庁はそれまで、大雨、地震、津波、高潮などにより重大な災害の起こるおそれがあるときに、警報を発表して警戒を呼びかけてきた。これに加え、今後は、この警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、新たに「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼びかける。特別警報が対象とする現象は、「東日本大震災」における大津波、「伊勢湾台風」による高潮、「平成23年台風第12号」の豪雨等が該当する。
 特別警報が出た場合、その地域は「数十年に一度しかないような非常に危険な状況」にあるので、周囲の状況や市町村から発表される避難指示(緊急)・避難勧告などの情報に留意し、「ただちに命を守るための行動」をとる必要がある。

〈関連記事〉
 台風や大雨で数十年に一度の災害が起きる恐れが大きいとして、気象庁が2013~17年に計7回発表した「特別警報」。対象となった12道府県の307市町村に朝日新聞がアンケートしたところ、自治体が避難指示を出した地域の住民のうち、実際に避難所に逃げた割合は3%弱だった。早期に適切な避難を促すため、避難勧告・指示の基準やマニュアルを見直した自治体は36%の105市町村に上ることが分かった。
 昨年までの特別警報発表自治体(307市町村)を対象に、気象情報に伴う避難情報や避難の実態、マニュアルの改定などについて質問し、295市町村(96%)から回答を得た(7月西日本豪雨対象地域を除く)。
 今回のアンケートを集計すると、避難指示が出された地域の住民、計約177万3千人のうち、実際に避難所に逃げた割合は2.6%。自宅の2階や屋上に逃げる「垂直避難」を選んだ人もいるが、住民が避難を見送ったり、避難のタイミングを逸したケースが多いとみられる。
 こうした現状を踏まえ、避難情報の発令に関する基準やマニュアルを見直したか尋ねたところ、36%にあたる105市町村が「見直した」と答えた。主な変更点は、▽夜間に強い降雨が予想される場合は発令を早める▽小学校区などより小さな地域ごとに判断する▽防災無線やエリアメールなどを使い、情報が住民に確実に伝わるようにする――などだった。
(2018年8月27日付 朝日新聞)



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