防災士について 防災士になるには 防災士の登録状況 研修機関のご案内 よくある質問
TOP  > 日本防災士機構について > 所感

所感

特任顧問 宮川知雄

 

早いもので、あの東日本大震災から3年有余の時間が経ちました。改めて被災された方々のご苦労を偲び、心からお見舞いを申し上げる次第です。

 

 先日、所用があって仙台まで日帰りで行ってきました。仙台の町自体は、何事もなかったかの様に賑やかで活気に溢れていましたが、一歩海岸の方へ行くと復興はまだ、これからという状態のようで、人手あるいは建設資材の不足は深刻とあって、困難克服はこれからといったところだと聞きました。

 

 日本防災士機構は日本防災士会と力を合わせ、9次に亘って被災地へのボランティアを派遣しましたが、多くの人々のご協力もあり大変好評で、これも改めてお礼を申し上げたいと思います。

 

 私が防災士教育に携わって10年になりますが、いい古されたことではありますが、「防災対策は風化対策である」と、今更のように思いかえしているところです。

 

 数年前になります。これは水害の話しですが、東北のある県で高速道路の下を交差する普通道路が、突然の集中豪雨で冠水したことがありました。そこへ運悪く軽自動車が来かかって、水溜りでエンストをおこして立往生してしまったのです。その時点での水位は30㎝と推定されています。車のドアの一番下は、地面から30㎝ですが、消防機関の後の実験によると、ドアの下の線から30㎝(つまり地面から60㎝)までの水ならば、自力で扉は内から開けられるそうです。扉の下から浸水してきた時に、直ちに外へ出ていれば問題はなかったのですが、この人は、そうはしなかった。水位がどんどん高まってくるにも拘わらず、車中に止どまり消防機関や自宅に救援の携帯電話をかけ続けたそうです。その時間はなんと40分間、突然の事でよくいう頭の中が真っ白になってしまったのでしょう。悲劇的な結果となってしまいました。携帯電話の普及が恨めしいとさえ思える悲しい出来事です。

 

 皆さんだったらどうしますか。

 普段からの防災教育を徹底しておれば、集中豪雨時の冠水の知識が助けとなったものと悔やまれますが、私はそれ以前の問題として、自分で自分の身を助ける、もっといえば生きようという本能が希薄であるように感じました。

 

 これは、この人だけの問題ではありません。安心まで他人任せというこの国の社会の風潮が生んだもののようにさえ思えます。

 

  防災教育では、こうした事例を繰り返し繰り返し説明し、無意識にでも最低限の行動が採れるように多くの人達に納得してもらわなければなりません。これが防災教育の中心の命題です。

 

 「天は自ら助くる者を助く」という言葉を改めてかみしめたいと思います。