有賀 元栄(長野県防災士) 辰野町防災士連絡協議会長
辰野町(長野県)では、災害発生時の各家庭の備えとして、町民を対象に備蓄品「非常持出品セット」2,000セット(1セット9,000円相当のうち町民の自己負担額は3,000円 差額分は町負担)を2019年2月16日、17日に同町役場にて販売開始しました。
この非常持出品セットは、武居保男町長が推進し、町の危機管理係と辰野町防災士連絡協議会がその中身について協議を重ねて決定したもので、防災士の知見が活かされた内容となっています。
中身は、町職員が東日本大震災の避難所で実際に聞き取りをして需要の高かった手回し充電式でスマホ等の充電が可能な多機能型のラジオや簡易トイレ、救急用品など23品目をセットにして辰野町の印字がされたリュックに詰めて持ち出せる形にしています。
町民に既成品の非常持出袋などを提供するのではなく、被災者の生の声や辰野町防災士連絡協議会の監修を受けながら一品ずつ自ら選定して作ったこの非常持出品セットは、全世帯数の約4分の1にあたる数を揃え、完売の見通し。
辰野町防災士連絡協議会は40人近い防災士で構成され、地域密着型の活動を推進しています。有賀元栄会長は避難所対策の推進や町内はもとより県下で幅広く講演・訓練指導に当っており、平成29年度日本防災士機構「防災士功労賞」を受賞しています。同会長は「町長のリーダーシップで持出品セットの普及が実現した。次は、より実践行動につながる啓発活動を進めていきたい」と語っています。
(2019年2月22日)
- 非常持出品セット
- 有賀 元栄氏