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防災評論 第53号

山口明の「防災・安全 ~国・地方の動き~」

防災評論家 山口 明氏の執筆による、「防災・安全 ~国・地方の動き~」を掲載致します。防災対策を中心に、防災士の皆様や防災・安全に関心を持たれている方々のために、最新の国・地方の動きをタイムリーにお知らせすることにより、防災士はじめ防災関係者の方々の自己啓発や業務遂行にお役立てて頂こうとするものです。今後の「防災・安全 ~国・地方の動き~」にご期待下さい。

 

 

防災評論(第53号)【平成26年12月号】

 

【目次】

〔政治行政の動向概観〕       
〔個別の動き〕

 1、緊急避難場所 指定31%(読売新聞社)
 2、被災3県 応援職員足りず(被災主要3県)
 3、老朽インフラ点検 5000人(国土交通省)
 4、土砂警戒区域 指定6993か所(東京都)
 5、「津波怖い」沿岸部基準地価下落(国土交通省)
 6、増え続ける土砂災害(国土交通省・気象庁)
 7、災害時 水道復旧で支援(東京都・茨城県)
 8、高潮マップ8割超「未作成」(国土交通省)
 9、火山情報 活用に課題(気象庁・自治体)
10、避難施設 整備遅れ(地方自治体)

 

 

〔政治行政の動向概観〕

 暮れの慌ただしいなか総選挙が実施され、大方の予想通り与党が圧勝、第3次安倍内閣がほぼ全閣僚留任して発足した。新内閣では選挙期間中に生じた政治空白を埋めるべく、補正予算をにらんだ総合経済対策(3兆5,000億円規模)に当面全力を挙げる一方、法人税減税などの税制改正や来年度当初予算編成は越年ながらもできるだけ早い時期に成案を得るとしている。これら経済対策等においては御嶽山の噴火災害に伴う火山観測体制の強化など各般の防災対策も盛り込まれ、より国民の安全・安心を確保・強化する方策が示されている。
 ところで相前後する形で2014年一年間をまたぎ世間を騒がせていた理化学研究所STAP細胞問題が結着をみた。結論としては、若年女性研究員の発表は論文から細胞作成まですべて虚偽と予想されていたものの驚くべき結果となった。いうまでもなく日本は科学技術立国を標榜し、自然科学の分野では多くのノーベル賞受賞者も輩出している。もとより防災を推進するうえでも科学技術の振興は重要な柱でもある。しかし今日日本最高峰の研究機関で世界一流ともいわれる研究者の指導のもと発表された成果が全くデタラメであったことは、わが国の科学水準とその研究内容に世界から大きな疑問符が突きつけられる大ダメージとなった。
 これまでも地震の発生予測や原子力発電所事故などをめぐり科学者の曖昧とも受け止められる対応が、災害対策の推進にブレーキになっていた面がある。日本の自然科学界全体がこの事件を他山の石として、日本そして世界の信頼を取り戻す努力が強く求められる。

 

〔個別の動き〕

1、緊急避難場所 指定31%(読売新聞社)

 災害の危険が迫った時に住民が逃げ込む「緊急避難場所」を、災害対策基本法に基づいて指定する市区町村は全国で31%(538市町村)にとどまることが、調査でわかった。2014年4月施行の改正災害対策基本法は、東日本大震災で避難所が津波に襲われ、多数の犠牲者が出たことを教訓に、市区町村が災害の種別ごとに適切な避難場所を指定することを義務づけており、識者は「住民の命にかかわる問題で、早期の指定が必要だ」と指摘している。
 自治体は従来、住民が災害時に身を寄せる場所を独自の名称で定めてきた。改正災害対策基本法では、市区町村がこれらを緊急避難場所と、被災後の生活場所となる「避難所」に分類。緊急避難場所については災害の種別ごとに指定して都道府県に通知することを義務づけた。

 

「緊急避難場所」の指定状況

北海道

4

青森県

28

岩手県

61

宮城県

31

秋田県 

0

山形県

40

福島県

80

茨城県

77

栃木県

12

群馬県

23

埼玉県

5

千葉県

17

東京都

0

神奈川県

6

新潟県

20

富山県

47

石川県

79

福井県

100

山梨県

15

長野県

22

岐阜県

48

静岡県

37

愛知県

4

三重県

41

滋賀県

16

京都府

35

大阪府

58

兵庫県

17

奈良県

31

和歌山県

100

鳥取県

53

島根県

32

岡山県

22

広島県

26

山口県

42

徳島県

75

香川県

41

愛媛県

45

高知県

56

福岡県

15

佐賀県

40

長崎県

――

熊本県

62

大分県

89

宮崎県

31

鹿児島県

26

沖縄

2

全国

31

 

 

 

2、被災3県 応援職員足りず(被災主要3県)

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の50市町村で、他自治体からの派遣や任期付き採用を含む応援職員が計2653人必要とされ、うち1割超を確保できていないことが分かった。
 高台移転や街づくりの本格化で職員需要は増加傾向にある。一方で、景気回復や2020年の東京五輪に向けた建設需要増加の影響のため、土木など専門職の確保が厳しくなっており、被災自治体は「慢性的に人手が足りない」と話している。
 限られた人員で対応せざるを得ず、被災地での用地交渉や住宅整備が遅れるなど復興加速に支障が出る恐れもある。
 3県によると、復興事業のため、正規職員のほかに岩手で757人、宮城は1541人、福島は355人の職員が必要だ。自治体からの派遣や任期付き職員の採用により合計2337人を確保したが、必要な人数に316人足りない。
 2013年4月1日時点と比べると、応援職員数は486人増えているが、必要人数も390人増えており、需給ギャップが埋まっていない。
 震災から3年半を前に、被災地では大型事業が相次ぎ、岩手と宮城は、本年度から再来年度にかけ必要な職員数がピークとなる見込みだ。

 

3、老朽インフラ点検 5000人(国土交通省)

 建設から半世紀近くが経過して耐用年数を迎えつつある自治体管理の橋やトンネルなどのインフラ(社会基盤)を巡り、国土交通省は耐用年数を延ばすため、自治体の点検技術者を今後5年で5000人程度、養成する方針を決めた。国は老朽インフラが原因の重大事故を2030年までに「0件」とすることを掲げ、自治体に5年に1回の点検を行うことを義務づけており、自治体の検査態勢を大幅に拡充する狙いがある。
 2012年12月の中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、国は老朽インフラの不具合を早期に発見することで「長寿命化」を図る基本計画を策定。しかし、橋の約94%、トンネルの約72%は、技術者不足の課題を抱える自治体が管理している。国土交通省の調査では、橋の保全業務担当の職員が0人だったのは、市区が14%、町は46%、村では70%に上る。
 国土交通省によると、全国約70万ある橋のうち、建設後50年が経過したのは2013年度が18%だが、10年後の2023年度には43%に跳ね上がる。2008年度には老朽化で安全性などに問題があるとして自治体で通行止めや重量制限などの規制を行ったのは977橋だったが、技術者不足などで2013年度には2倍以上の2104橋に上る。
 国土交通省では、要請した技術者に一定の資格を与える新制度創設も検討。訓練を受けた技術者が点検すれば『長寿命化』の効果は高まる。

 

4、土砂警戒区域 指定6993か所(東京都)

 広島市で大きな被害を出した土砂災害については、東京都内でも「警戒区域」の指定が進んでいるが、まだ予定区域の半数にも達しておらず、課題を残している。
 警戒区域は、2001年施行の土砂災害防止法に基づき、土砂災害の危険性が高い地域を都道府県が指定する。東京都では2005年から指定を始めた。
 警戒区域に指定されると、各区市町村がハザードマップを作って、住民に危険性を周知したり、情報伝達の体制を整備したりすることが求められる。また、より危険性の高い特別警戒区域に指定されると、住宅を建築する際、強度などに関する規制が厳しくなる。
 2014年3月の時点で、警戒区域に指定されているのは多摩地域の6993か所で、特別警戒区域はこのうち3986か所。警戒区域が最も多いのは八王子市の1615か所で、青梅市が1453か所、檜原村が931か所と続く。
 2013年10月には伊豆大島(大島町)で土石流による大きな被害が出た。東京都は2014年5月、大島で指定に向けた調査を始めており、今後、島嶼部でも指定を進める方針だ。
 東京都は各都道府県の中では指定が進んでいるほうだが、2020年度末までに約1万5000か所の指定を予定しており、まだ半数にも達していない。住民からの「不動産価値が下がる」といった指定への反発も根強い。

 

5、「津波怖い」沿岸部基準地価下落(国土交通省)

 国土交通省が発表した土地取引の目安となる基準地価(2014年7月1日時点)は、政府が被害想定をまとめた南海トラフ巨大地震による津波浸水が予想される区域など、防災面の課題を抱える地域では下落が目立った。一方、東日本大震災から3年半が過ぎた被災地では、復興需要を受けて上昇傾向が続いており、自力再建をあきらめる人も出ている。
 南海トラフで静岡県が最大15メートルの津波を想定する浜松市南区の中田島町では、住宅地で下落率が全国9位(8.9%減)となった。
 和歌山県田辺市では、沿岸部・目良地区の住宅地が下落率7位(9.0%減)となったが、約4キロ離れた内陸の別の地区(海抜約30メートル)は上昇率10位(10.7%増)となり明暗が分かれた。
 また、2013年10月に土砂災害が起きた伊豆大島(東京都大島町)では、現場から約700メートル離れた地点が、商業地として下落率1位(10.0%減)となった。
 住宅地で上昇率1位(16.7%増)となったのは、津波の被害を免れて需要を集めている宮城県石巻市鹿又地区。人気の理由は三陸自動車道やJRの駅に近い利便性と「お手頃感」だ。自宅を新築した会社員の男性(47)は「市中心部は無理だったが、やっと復興を実感できた」と笑顔を見せた。
 上昇率が高い住宅地上位10地点のうち5地点を占めたのは、原子力発電所事故により約2万4100人が市外から避難している福島県いわき市だ。値上がりは市中心部から郊外に広がり、郊外に延びる街道沿いの地点が上昇率2位(15.0%増)となった。

 

6、増え続ける土砂災害(国土交通省・気象庁)

 土砂災害の10年ごとの平均発生件数が、2013年までの30年間で約1.5倍に増えたことが、国土交通省や気象庁などの調べでわかった。1時間あたりの雨量が50ミリ以上の大雨も約1.3倍に増えており、大雨の増加が土砂災害の発生につながっていることが裏付けられた形だ。夜間ほど災害につながる豪雨が降りやすいとの説も最近、注目されており、万全の備えが求められる。
 国土交通省などによると、土砂災害は増加傾向にある。1996年まで続いた雲仙普賢岳(長崎県)の噴火活動に伴う土石流を除くと、1984~1993年の10年間には年間平均771件だったが、2013年までの10年間では1.5倍の年間平均1184件に増えた。死者・行方不明者数も、2003年までの10年間で計187人だったが、2013年までは計332人と1.8倍に増加。広島市の現場のように、山裾などまで宅地開発や住宅建設が進んでいることも背景にある。
 大雨も増えている。気象庁が地域気象観測システム(アメダス)で観測した1時間雨量を分析すると、「滝のように降る」と例えられる50ミリ以上の雨は、1993年までの10年間で年平均181.8回だったが、2013年までには年間平均240.7回で1.3倍に。「息苦しくなるような圧迫感がある」とされる80ミリ以上の猛烈な雨に限ると、1993年までの10年間に比べ、2013年までは年間平均17.6回で1.5倍に増えた。
 最近の土砂災害は、夜間に発生するケースが目立つ。39人の死者・行方不明者が出た2013年10月の伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害の際には、未明から1時間に80ミリを超える猛烈な雨が4時間降り続いた。死者・行方不明者が98人に上った2011年の紀伊水害でも、和歌山県新宮市で9月4日未明に1時間あたり132.5ミリの猛烈な雨を観測し、土砂災害などが発生した。
 夜間に雲の上部が冷えて大気が不安定になり、積乱雲が発達することなどが、夜間に大雨が降る原因と考えられる。

 

7、災害時 水道復旧で支援(東京都・茨城県)

 東京都と茨城県は、「中継水道事業体としての活動」に関する覚書を結んだ。地震などで一方の水道が被災した場合に、もう一方が全国から集まる支援活動の中継拠点になる。自治体同士が互いに助け合う相互支援協定が各地に広がっているが、水道復旧に関し支援拠点となる「中継事業体」の覚書は全国で初めて。
 東日本大震災では各地から集まる支援物資を振り分け、救援隊が準備をする支援拠点の重要性が指摘された。両都県は高速道路や港湾などの交通網で結ばれており、同時に被災する可能性も低いことから互いに中継拠点になることにした。例えば首都直下地震で都が被災した場合、茨城県が各地からの支援の中継場所を提供する。
 震災や豪雨で浄水場や水道管に深刻な被害があっても、遠方から応援に来た職員や車両が情報不足などで現地入りできない事例もある。両都県は今後、待機・休憩する場所や支援の手順を定め、共同の訓練も実施する予定だ。

 

8、高潮マップ8割超「未作成」(国土交通省)

 台風や発達した低気圧の影響で海面が異常上昇する高潮被害の危険性がある全国645市区町村のうち、高潮ハザードマップを作成しているのは17.5%の113市町村にとどまることが、国土交通省の調査でわかった。作成が義務化されていないことや、国内では最近、高潮被害が少なく、自治体側の危機感が薄いことなどが背景にある。国土交通省は「住民に浸水想定区域や避難所の場所を周知してほしい」(水防企画室)として、マップ作成の義務づけも検討している。
 高潮は、堤防の決壊後に川の水面が下がる洪水と異なり、決壊した場合も海面が下がらず、破壊力が衰えないため、被害が大規模化、長期化する危険性があるとされる。
 死者・行方不明者が5098人に上った1959年の伊勢湾台風では、最高で3.9メートルの潮位を記録し、多数の住宅がのみこまれた。2012年9月の台風16号で発生した高潮では、佐賀県で3.6メートル、熊本県で2.9メートルの潮位を記録し、同県などで床上、床下浸水の被害が発生した。
 高潮ハザードマップは、高潮による浸水想定区域や避難場所などを地図上に示したもの。避難時の注意点や情報伝達方法などが併記されることが多い。国土交通省が2014年3月末時点での作成状況を調査したところ、作成済みは645市区町村のうち、113市町村(17.5%)だけだった。
 これに対し、危険な地域でマップ作成が義務づけられている洪水は97.1%、土砂災害は81.0%、津波は80.2%と、いずれも作成率で8割を超した。
 地震発生後に避難する時間のある津波と違い、暴風雨のさなかに襲い来る高潮は避難が難しい。津波や洪水と違う危険があることをマップで住民に知らせる必要がある。

 

9、火山情報 活用に課題(気象庁・自治体)

 御嶽山の突然の噴火は多くの登山者を巻き込んだ。噴火災害としては43人の死者・不明者を出した1991年の雲仙・普賢岳以来の惨事となった今回の噴火が、活火山を観光資源にする自治体に与えた衝撃は大きい。火山情報の活用など気象庁と自治体とのさらなる連携が求められている。
 噴火警戒レベル制度を導入してから、噴火前にレベルを引き上げた水蒸気噴火はない。
 2007年12月に導入された同制度で、これまでに引き上げられた事例は20回以上ある。だが、今回のように事前に地殻変動をつかみにくい水蒸気爆発の「予知は困難」とされる。
 気象庁は2014年9月11日に火山性地震の増加を知らせる「解説情報」を発表していたが、登山者らに危険が十分周知されていたかは疑問が残る。
 富士山を抱える山梨県は「基本的には気象庁の見解を基に入山規制を判断するしかない」と指摘。安達太良山の登山口がある福島県二本松市は「観光客が多く、警戒レベルの引き上げ無しに対応するのは難しい」と話す。
 内閣府によると、気象庁の常時監視対象となる47活火山の周辺自治体のうち2014年3月時点で、避難計画が策定されている市町村は130市町村中20市町村。普段の防災体制にも課題は残る。

 

10、避難施設 整備遅れ(地方自治体)

 御嶽山の噴火では、山頂付近で山小屋に逃げ込んだ登山者の多くが命を落とさずに済んだ。火山列島・日本には110もの活火山があり、多くの登山者や観光客らを受け入れながら、避難できる山小屋がない場所も多い。
 数十センチ以上の厚さがあり、噴石を防ぐ鉄筋コンクリート造りのシェルター(退避壕)は御嶽山に一つもなく、長野県王滝村の担当者は「これまでの噴火では人的被害がなく、シェルターの必要性は考えていなかった」と説明。木曽町の担当者は「突然の噴火に備え、山小屋にヘルメットや無線機などを配備したが、シェルターなどがあれば被害はもっと防げたかもしれない」と話した。
 気象庁の24時間監視対象となっている47火山を抱える自治体などで、少なくとも12火山で噴火の際に避難できる山小屋があった。しかしシェルターが整備されている火山は数少ない。
 2014年夏約28万人の登山者が訪れた富士山でも、山頂付近にシェルターはない。静岡県危機情報課は「予知できなかった場合のことは全く考えられてこなかった。今回の噴火を受け、迅速に対応を検討しなければならない」と危機感を強める。
 鳥海山など三つの火山がある山形県では、いずれの山も、噴石に対応できる避難小屋はなかった。
 2火山を抱える大分県には避難小屋と呼ぶ建物が五つあるが、風雨や霧をしのぐためのもので、噴石から身を守るような構造になっていないという。
 一方、1979年の噴火で観光客3人が死亡した熊本県の阿蘇山の火口付近にはシェルターが14基ある。2004年と2009年に噴火があった群馬、長野県境にある浅間山には、かまぼこ形のシェルター3基があるほか、中腹にある学習施設の地下にもあり、計4基で約300人が避難可能だ。
 入り口の向きなどを考慮して整備したシェルターは、噴石や降灰から身を守るのに有用。施設内にヘルメットを常備するなど十分な備えも求められる。また、現在の対策は地元住民に向けた火山防災マップの配布などが多いと指摘し、登山者のように遠方から訪れる人々への周知が不足している。シェルターを整備した後も、住民と登山者らへの衆知を継続し、徹底することが重要だ。
 日本には、本土や海底などに110の活火山が存在する。気象庁の火山噴火予知連絡会が2009年6月、「今後約100年の期間で噴火の可能性がある」として、110火山のうち特に監視や観測の強化が必要な47火山を選定した。
 47火山については、気象庁と札幌、仙台、福岡市の各管区気象台にある火山監視・情報センターなどが24時間体制で監視している。地震計や全地球測位システム(GPS)などで火山性地震の増減や山の膨張などを見守り、変化があった場合、都道府県に地震回数や防災上の警戒事項などを伝える。
 さらに47火山のうち30火山では地元自治体などが火山防災協議会を設置し、火山の活動状況に応じて入山者らが取るべき行動を定めた「噴火警戒レベル」が導入されている。2008年3月に警戒レベルが導入された御嶽山は、噴火時までレベル1で、噴火後に3となった。レベル3はほかに鹿児島県の桜島と口永良部島。群馬、長野県境の草津白根山と熊本県の阿蘇山は2014年、1から2に引き上げられた。
 警戒レベル導入には、火山防災協議会の設置とともに、火山活動に応じた自治体の対応を定める必要がある。しかし近年に噴火のない自治体などでは協議会を設けず、17火山で警戒レベルが設定されていない。気象庁は協議会設置を促しているが、火山対策は、進んでいない土砂災害・津波対策などに比べ、さらに遅れているのが現状だ。

 

 

 

[防災短信]

 1、山村の荒廃をどう防ぐ
 ~国土交通省 2050年までに所有者不明山林47万haに~ 2014年9月2日付 日本経済新聞
 2、8月豪雨は「異常気象」
 ~30年に1日以下の頻度 気象庁検討会~ 2014年9月4日付 日本経済新聞
 3、国が避難計画支援
 ~川内原発、地方自治体に職員派遣 経済産業省~ 2014年9月2日付 日本経済新聞、9月12日付 読売新聞
 4、新日鉄住金に募る不信
 ~名古屋製鉄所事故やまず 愛知県~ 2014年9月4日付 日本経済新聞
 5、危険ドラッグ 4469人搬送
 ~2011年から急増 消防庁 初の統計~ 2014年9月20日付 日本経済新聞
 6、「津波から逃げろ」作成
 ~香川大 シミュレータ開発中~ 2014年9月6日付 日本経済新聞
 7、震災遺族 市を提訴
 ~釜石市 正しい避難場所知らせず~ 2014年9月9日付 読売新聞
 8、被災地の「疲労」客観分析
 ~宮城大 自治体職員の健康管理支援~ 2014年9月9日付 日本経済新聞(夕刊)
 9、「洪水危険地域」対策を急げ
 ~都庁OB「首都水没」を出版~ 2014年9月11日付 読売新聞
10、入札不調 震災前の4倍
 ~2013年度18% 復興住宅遅れも~ 2014年9月11日付 読売新聞
11、捜索でストレス症状
 ~広島市消防職員 PTSD恐れも~ 2014年9月12日付 日本経済新聞
12、「土砂災害起きない」80%
 ~広島被災者調査 危険性認識薄く~ 2014年9月20日付 読売新聞
13、震災報道 どう継承?
 ~マスコミ倫理懇「美味しんぼ」巡り応酬~ 2014年9月26日付 読売新聞
14、広島 土石流107か所 がけ崩れ59か所
 ~広島県調査~ 2014年9月6日付 読売新聞

 

 

 

【参考文献】

1、 平成26(2014)年9月01日 『読売新聞』
2、 平成26(2014)年9月06日 『日本経済新聞』
3、 平成26(2014)年9月02日 『読売新聞』
4、 平成26(2014)年9月02日 『読売新聞』
5、 平成26(2014)年9月19日 『読売新聞』
6、 平成26(2014)年9月30日 『読売新聞(夕刊)』
7、 平成26(2014)年9月17日 『日本経済新聞』
8、 平成26(2014)年9月23日 『読売新聞』
9、 平成26(2014)年9月30日 『日本経済新聞』
10、 平成26(2014)年9月30日 『読売新聞』

 

 

 

 

 

 

山口明の防災評論 一覧

ナンバー年月題名
第82号平成29年5月号山岳ヘリ救助 有料に(埼玉県)他
第81号平成29年4月号被災地の活動で20個人・団体顕彰(復興庁)他
第80号平成29年3月号家屋被害認定 兵庫に学べ(兵庫県)他
第79号平成29年2月号噴火警戒レベル低くても対策(内閣府)他
第78号平成29年1月号普及急げ 救急相談電話(消防庁)他
第77号平成28年12月号「海抜ゼロ」避難計画検討へ(中央防災会議)他
第76号平成28年11月号全国17火山の避難計画を策定へ(内閣府)他
第75号平成28年10月号「東海」南西側にひずみ蓄積(海上保安庁)他
第74号平成28年9月号震度6弱以上30年以内の確率 南海トラフ沿い上昇(文部科学省)他
第73号平成28年8月号熊本地震 九州で文化財被害300件超(文化庁)他
第72号平成28年7月号危険踏切58か所 初指定(国土交通省)他
第71号平成28年6月号災害時の業務継続計画 市区の66%未整備(地方公共団体)他
第70号平成28年5月号長周期地震動の「階級4」を国内初観測 震度6強の余震で(気象庁)他
第69号平成28年4月号帰宅困難者対策進まず(地方公共団体)他
第68号平成28年3月号市民標的テロ対策強化(警察庁)他
第67号平成28年2月号火山3割が携帯通信に「不安」(気象庁)他
第66号平成28年1月号火山列島ニッポン、活動期に(京都大学・気象庁)他
第65号平成27年12月号水害被災地に物資提供 都内自治体、連携の輪(東京都)他
第64号平成27年11月号震災避難20万人以下に(復興庁)他
第63号平成27年10月号マンション管理組合を防災組織と位置づけ(総務省)他
第62号平成27年9月号「6強で倒壊」814棟(文部科学省)他
第61号平成27年8月号復興事業4分類 一部地元負担へ(復興庁)他
第60号平成27年7月号救急隊、外国語で対応へ(消防庁)他
第59号平成27年6月号医療拠点 8割近く耐震化(厚生労働省)他
第58号平成27年5月号学校に避難 ルール課題(文部科学省)他
第57号平成27年4月号「使い捨て」観測衛星(内閣府、文部科学省、防衛省)他
第56号平成27年3月号高潮マップ8割超が「未作成」(国土交通省)他
第55号平成27年2月号住宅用火災警報器の設置率79.6%(総務省消防庁)他
第54号平成27年1月号被災者に家賃給付を(内閣府)他
第53号平成26年12月号緊急避難場所 指定31%(読売新聞社)他
第52号平成26年11月号被災地に職員「応援計画」都道府県66%作らず(総務省)他
第51号平成26年10月号救急車と救命士、病院常駐で威力(消防庁)他
第50号平成26年9月号政府が国土強靭化計画東京一極集中を脱却(内閣府)他
第49号平成26年8月号違法貸しルーム、火災防止へ(国土交通省、消防庁)他
第48号平成26年7月号避難勧告、自治体向け新指針決定(内閣府・消防庁)他
第47号平成26年6月号倒壊家屋5割減目標(内閣府)他
第46号平成26年5月号防災リーダー育成支援(内閣府)他
第45号平成26年4月号橋・トンネル点検義務に(国土交通省)他
第44号平成26年3月号首都直下型地震「死者23000人」(中央防災会議)他
第43号平成26年2月号復興予算、22%が未使用(会計検査院)他
第42号平成26年1月号地震時「危険」23区に集中(東京都)他
第41号平成25年12月号火災避難にエレベーター(東京消防庁)他
第40号平成25年11月号局地豪雨が激増(東京は昨年の3倍)(ウェザーニュース)他
第39号平成25年10月号津波予報、民間へ開放(気象庁)他
第38号平成25年9月号東海地震予知「困難」(内閣府調査部会)他
第37号平成25年8月号災害弱者名簿の掲載率(地方公共団体)他
第36号平成25年7月号水、食料備蓄学校の「3割」(文部科学省)他
第35号平成25年6月号南海トラフM8以上「60~70%」(地震調査委員会)他
第34号平成25年5月号「被災者の自殺者対策」(警察庁、地方公共団体)他
第33号「南海トラフ海底調査へ(文部科学省)」他
第32号「津波「巨大」すぐに避難を~新警報7日開始~(気象庁)」他
第31号「救急搬送の増加(総務省消防庁)」他
第30号「平成25〔2013〕年度予算の概算要求(防災・安全) 」他
第29号「災害関連死66歳以上9割(復興庁)」他
第28号「南海トラフ」集団移転対策、「首都直下」地方に拠点(中央防災会議)」他
第27号「災害対策基本法の改正~災害時 国・都道府県の役割強化(内閣府)」他
第26号「南海トラフ巨大地震の評価(内閣府)他
第25号「防災士養成数5万人を突破、小・中学校教職員に防災士資格取得義務化(日本防災士機構、松山市)他
第24号「首都直下型地震の発生確率(地震調査委員会)他
第23号「津波警報 表現に切迫性(気象庁)他
第22号「津波防災地域づくり法」が成立(国土交通省)他
第21号「東日本大震災関連第3次補正予算(内閣、財務相)他
第20号「台風12号の被害と避難勧告(地方公共団体)他
第19号「原発の津波対策とコスト(原子力安全委員会、原子力委員会)他
第18号「復興構想会議の答申(内閣官房)」他
第17号「東日本大震災関連専門調査会設置(中央防災会議)」他
第16号「震災関連第1次補正予算の成立(首相官邸)」他
第15号「震災復興関連の補正予算(財務省他)」他
第14号「原子力災害に関する正確な情報把握と行動(首相官邸。文部科学省)」他
第13号「大雪による死者、13道県で81人に(総務省消防庁)」他
第12号「東海地震観測情報」の新たな名称等(気象庁)」他
第11号「新しい公共」に関するNPO優遇税制(財務省、国税庁、地方公共団体)」他
第10号「猛暑による熱中症死者の激増(総務省消防庁)」他
第9号「熱中症による搬送状況(総務省消防庁)」他
第8号「グループホームの防災対策(総務省消防庁、国土交通省、厚生労働省)他
第7号「消防団の充実強化対策(総務省消防庁)」他
第6号「大気中の二酸化炭素濃度について(気象庁)」他
第5号「水防月間(国土交通省)」他
第4号「新しい公共」・NPO法人への寄付(内閣官房)」他
第3号「新しい公共」の具体化(内閣官房)」他
第2号「消防職員の団結権(総務省消防庁)」他
第1号「平成22年度消防庁予算(総務省消防庁)」他
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